■ドル反落、インフレ鈍化で年内米追加利上げ観測は後退

先週のドル・円は反落。イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長の米下院金融サービス委員会での議会証言内容がドル売りを誘った。イエレンFRB議長は12日に行われた議会証言で「米経済は緩やかな利上げとバランスシート縮小を吸収できるほど十分健全」との認識を示したが、「FRBが掲げるインフレ率2%の目標を踏まえると、賃金の伸びは幾分低いようにみえる」、「生産性の伸びの低迷が賃金の伸びを抑制している可能性がある」と指摘したことから、早期追加利上げ観測は後退し、リスク回避的なドル売りが優勢となった。

ドル・円は11日に114円49銭まで買われたが、12日の東京市場ではトランプ政権に対する不信感が再び高まったことから113円32銭まで下げており、リスク選好的なドル買いはイエレンFRB議長の議会証言前の時点で一服していた。

14日のニューヨーク市場では、この日発表された6月の米消費者物価指数(CPI)と小売売上高は市場予想に届かず、年内追加利上げへの期待はさらに後退し、主要通貨に対するドル売りが活発となった。ドル・円はストップロスのドル売りが112円台後半で執行された影響などで一時112円27銭まで売られており、112円55銭でこの週の取引を終えた。取引レンジ:112円27銭-114円49銭。

■ドル弱含みか、米早期追加利上げ観測後退と政治リスクを嫌気も

今週のドル・円は弱含みか。米連邦準備理事会(FRB)のイエレン議長は12、13日の議会証言で政策金利やバランスシートの正常化に言及したが、市場は利上げの余地は限られると解釈しており、早期追加利上げ観測は後退した。今後発表される米国のインフレ関連指標に対する注目度は高まりそうだ。

米国の政治情勢の不透明感も、引き続きドルの押し下げ要因か。いわゆる「ロシアゲート」疑惑に関連し、トランプ大統領のコミー前連邦捜査局(FBI)長官解任は司法妨害にあたるとして、一部の民主党議員が弾劾決議案を下院に提出した。トランプ大統領が罷免される可能性はかなり低いものの、トランプ政権へのダメージは小さくない。政権運営への懸念が強まれば、リスク回避的なドル売りが誘発される可能性は残されている。

一方、日本銀行は19-20日に開催する金融政策決定会合で、金融政策の現状維持を決める見通し。カナダ中銀は12日に0.25ポイントの利上げを実施するなど、各国中銀は利上げや金融緩和策の縮小に舵を切っているが、日銀の金融緩和策維持は円売り要因となる。

【日銀金融政策決定会合】(19-20日)
日銀は19-20日に金融政策決定会合を開催し、現行の金融政策の維持を決める公算。また、20日15時半から黒田日銀総裁が記者会見を行う。主要中銀が金利正常化に乗り出すなか、日銀が「異次元緩和」を維持すれば金利差が意識され円売りに振れる展開となりそうだ。

予想レンジ:111円00銭-114円00銭


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情報提供元:FISCO
記事名:「為替週間見通し:ドル弱含みか、米早期追加利上げ観測後退と政治リスクを嫌気も