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NYの視点:米7月JOLT求人件数:労働市場のひっ迫証明、FRB積極的な利上げ正当化


米労働省が発表した7月JOLT求人件数は1123.9万件と、6月1104万件から減少予想に反し増加し、引き続き過去最高水準付近を維持した。6月分も1104万件へ、1069.8万件から大幅に上方修正された。

求人件数が引き続き順調に増加している一方で、総失業者数は減少傾向で、567万人と、コロナパンデミック開始以降で最低となった。求人件数は総失業者数を556.9万上回っており、ほぼ2倍。1人の失業者に対して2つの求人があることになる。同時に、採用者数も低下し、2021年8月以降で最低となった。7月採用率(Hiring rate)は4.2%と6月の4.3%から低下した。

労働市場が依然ひっ迫している新たな証拠となったと同時に、パウエル議長が言及したとおり、労働市場の需要と供給のバランスが崩れた状況も続いている証拠となった。

求人件数の増加と同時に、採用が減少、さらに、労働市場の自信をあらわすとして注目される自主退職者数も418万人と前月の423万人から若干減少し2021年10月来で最低。退職率は2.7%と、6月2.8%から小幅低下しており、労働者の市場への楽観的見方は後退しつつある。コンファレンスボードが発表した最新9月消費者信頼感指数の中での調査で、雇用が十分との答えは48%と、2021年4月来で最低となった。

表面上では理由が説明できない事象が起っており、データが政治的に操作されているとの憶測もある中、発表された結果自体は労働市場のひっ迫を示す新たな証拠となり、米連邦準備制度理事会(FRB)の積極的な利上げ計画を正当化するとの市場の見解が強まった。9月連邦公開市場委員会(FOMC)でも3会合連続で75ベーシスポイントの利上げを実施する確率は76.5%。ドルの上昇基調も当面継続すると見る。

■雇用たるみダッシュボード

◎金融危機前に比べ状態が改善        パンデミック: 金融危機前水準と比較
7月求人率(Job openings rate):6.9%(6月6.8% )     4.4%, 3%
7月退職率(Quits rate):2.7%(2.8%)          2.3%: 2.1%
7月解雇率(Layoffs/discharges rate):0.9%(0.9%)   1.2%
7月雇用者数(Nonfirm payrolls):+52.8万人(+39.8万人) +25.1万人,+16.18万人
7月採用率(Hiring rate):4.2%(4.3%)         3.8%
7月失業率(Unemploynent rate):3.5%(3.6%)     3.5%, 5%
7月広義の失業率(U-6):6.7%(6.7%)          7.0%, 8.8%

◎金融危機前に比べ状態悪化
7月労働参加率:62.1%(62.2%)               63.4%, 66.1%
7月長期失業者数(15週以上):31.7%(21年7月53.3%)      19%


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