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コラム【新潮流2.0】:冬来たりなば(マネックス証券チーフ・ストラテジスト広木隆)


◆先週の土曜日は立冬。暦の上では冬である。週末、東京は季節外れの暖かな陽気だったが、この先の気温は低下が予想されている。近頃はめっきり肌寒い日も多い。クローゼットからダウンジャケットを出し、朝晩は暖房を入れ、食卓には鍋が登場する機会が増えた。「暦の上では」というより「暦通りに」冬の訪れである。

◆コロナ禍で在宅やリモート勤務など働き方が変わった。買い物や飲み会に出歩く機会も減った。今はGoToで盛り上がりもあるが、それでも外食・旅行のあり方は大きく変わっている。生活様式の変化は、つまり社会の変化である。社会がコロナで大きく変わるのに、季節の移ろいだけは変わらず、秋が終われば冬が来る。

◆お祭り騒ぎも自粛のうちにハロウィンが過ぎた街はクリスマスの装い。気が付けばあっという間に今年も終盤だ。コロナで何もできないまま過ぎた1年 − 空虚な年だった、とお感じの方もおられよう。しかし、よく考えればそんなことはないはずだ。日々、人間が営みを続けていれば、それなりの軌跡が残される。コロナという世紀の厄災に遭いながら「2020年、私はこう過ごした」というメモリーが、皆ひとりひとりにあるはずである。

◆日経平均が29年ぶりの高値をつけた。日経500種平均にいたってはバブル期の高値も抜いて史上最高値を更新した。株式投資を続けてきた投資家にとっては、それなりに良いパフォーマンスがあがった年だったのではないか。決して空虚な1年などではない。むしろ実りある年だっただろう。

◆それでも早くコロナが去らないかと願う気持ちは皆同じだ。いまほど「冬来たりなば春遠からじ」という言葉が切実に感じられる時もない。季節が確実に巡ることのありがたさを思うと、冬の到来も嬉しいものだ。いそがせる 心は別に 冬に入る (稲畑汀子)。今夜あたりは鍋で熱燗、巣ごもりもまた楽しからずや、である。

マネックス証券 チーフ・ストラテジスト 広木 隆
(出所:11/9配信のマネックス証券「メールマガジン新潮流」より抜粋)



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