この週末、公園に足を運んでみました。車も渋滞していましたし、思ったほど閑散とはしていませんでした。学校も再開の方向です。

しかし、依然として海外の不安はかつてない深刻度です。週末に5つの州で外出を原則禁止した米国では、4-6月期のGDPが10~30%程度下落すると予想されています。失業率は、20%に上るなどという米財務長官の発言も先週報じられました(後に予測ではないと否定)。10%を超えれば、大恐慌期(1929~1933年)に記録した24.9%に次ぐ記録的悪化です。

極端な数字にも見えますが、これらの予想は、政府の財政政策を後押しするというプラス面もあります。米国のGDP7%規模の財政支出を始め、先進諸国で様々な経済対策案が提示されつつあります。もちろん、今回の問題は疫病ですから、短期的には、財政ではなく、人の移動制限でしか解決できないでしょう。 これをしない場合、1人の人が移す人数(基本再生産数)をnとすると、人口の{1−1/n}という規模まで感染が拡大するリスクがあります。WHOによれば、nは1.4~2.5人程度ですから、最大で人口の3割~6割程度が感染してしまうことになります(ワクチン投与等が間に合わない場合)。

このため、極端にも見えるほどのシャットダウンを行いつつ、財政で補填するという施策はまずは妥当でしょう。財政政策はこういう時のために使うものです。日本政府もそう考えて、早急に、真水で15~20兆円といった史上最大級の施策が出てくると思われます。先週来の日銀のETF全力購入の支援もあり、市場は一旦上昇に向かうかもしれません。

しかし、解決のカギを握るのは日本より海外です。まだ、報じられている財政政策は、欧米ともに議会をまとめきれていません。仮に出動できても、人々は、不安が大きければ補助金を手元に置いてしまうので、支出規模ほどのGDPの押し上げ効果は期待できないでしょう。

しばらくは、世界、特に欧州諸国が、移動制限と財政支援のセットでどこまで頑張れるかです。それまでは、短期のボラからのキャピタルゲイン狙いよりは、財務が安定していて減配リスクが低い企業への静かな投資がベターでしょう。

マネックス証券 チーフ・アナリスト 大槻 奈那
(出所:3/23配信のマネックス証券「メールマガジン新潮流」より、抜粋)


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情報提供元:FISCO
記事名:「コラム【アナリスト夜話】:新型コロナの次の注目点(マネックス証券チーフ・アナリスト大槻奈那)