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中国社会を揺るがしたワクチン不正問題  官商癒着が招いた事態



食品と医薬品への不信感が大きい中国社会。「全国民を怒らせた」ワクチン不正事件についての非難が相次いでいる。中国政府は真相の究明と責任者の処罰、再発防止などを掲げているが、業者と監督当局間の癒着疑惑が浮上するなど、事態は深刻化している。

中国国営メディアは24日、長生バイオテクノロジー(長生バイオ)のワクチン問題に関して、事態収拾に乗り出す中国政府と最高指導部の努力を強調する内容に傾いている。また、幹部の腐敗を取り締まる国家監察委員会は24日、「今回のワクチン問題の背後に政経癒着や腐敗の連鎖など慢性的な問題があるかを調べてみる」とホームページで発表した。高俊芳・長生バイオ会長など上層部は身柄を拘束された。

事態が大きくなるにつれて、長生バイオの急速な成長が技術力ではなく、保健当局との癒着に依存したという疑惑が浮上した。

現在長生バイオは高俊芳氏がほとんどの株を保有しているが、2003年までは国有企業だった。当時の経営陣の一人だった高俊芳氏は民営化を介して当会社の株式を35%確保して大株主になった。

夫は副会長と最高販売責任者、息子は理事会副議長を務めている。

官商癒着の疑惑も相次ぐ。中国河北省、山東省などで36万人に及ぶ乳幼児が不正DPT(ジフテリア・百日咳・破傷風)ワクチンを接種したにもかかわわず、わずか340万元(約5,500万円)の罰金が課されただけの処分だった。

また、昨年長生生物がマーケティングと販促に使ったお金は、5億8000万元に達したが、研究開発(R&D)に投入したお金は1億2千万元で、5分の1に過ぎなかった。

このような異常な状況でも大企業に成長したのは、監督当局との癒着なしでは考え難い。中国企業のマーケティング費用の多くが保健当局の賄賂などに使われた。中国の裁判所の資料によると、長生バイオは過去10年間、少なくとも12件の贈賄事件で罰金を課されていた。直近の判決は昨年8月に言い渡されたもの。河南省の防疫責任者に水ぼうそうのワクチン1本に当たり5元、狂犬病ワクチン1本20元のリベートを支払っていた。狂犬病ワクチンの販売価格は72元だった。

長生バイオだけでなく、中国の製薬業界全体に賄賂慣行がまん延しており、今回の事件をもたらした根本的な原因だとの指摘も出ている。

中国保健当局の関係者は、「一年間で中国において生産される10億個のワクチンのうち、検査が行われたのは5%に過ぎず、その検査も製薬会社が提供したデータを元に行われている。腐敗行為が摘発されても処罰規定があまりにも弱くて製薬会社は恐れていない」と伝えた。

(翻訳編集・齊潤)



【ニュース提供・大紀元】




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