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NYの視点:米トランプ大統領の輸入関税計画、中間選挙を見据えた対応との思惑も


米国のトランプ大統領が先週発表した鉄鋼・アルミニウムの輸入関税計画に行方に警戒感が強まりつつある。各国の反発や報復措置の可能性、国内からも反対する声が強まりつつある。

輸入関税に反対姿勢を示していた国家経済会議(NEC)のコーン委員長は辞任。税制改革を成功させるなど経済チームを先導してきたほか、米国経済の一段の成長に欠かせない存在だと市場での定評があったため、委員長の辞任は新たな株式相場の急落にもつながりかねないと懸念される。

トランプ大統領は6日のスウェーデン首相との共同記者会見でも、「米国は長い間、利用されてきた」とし、「貿易赤字で、不公平是正への対応が必要だ」と、断固とした態度を示した。7日にも詳細が発表される可能性もある。

輸入関税計画は北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉協議のレバレッジに利用する思惑があったと考えられる。また、13日に予定されている特別選挙に的を当てているとの見方もある。ペンシルバニア州南西部18区で3月13日に連邦下院補欠選挙が実施される。ペンシルバニア州、ピッツバーグは製鉄、鉄鋼等の重工業が主要産業。

この地区はまた、共和党支持が圧倒的で、共和党にとり最も安全な地区であった。昨年、スキャンダルで辞任に追い込まれたティム・マーフィー氏は2012年に64%対36%で勝利。またトランプ大統領も総選挙で大差をつけ勝利した。

2018年始めの世論調査によると、共和党候補のリック・サッコーン氏は民主党のコナーラム氏を46%対34%と僅差でリードしていた。有権者の20%がまだどちらに投じるか決定していないという状況。ところが、最近の調査で、48%対45%で民主党候補がリードに転じた。民主党候補は、33歳と若く、海軍出身、連邦検事と有力。トランプ大統領は共和党候補を支援するため、1両日中にペンシルバニアを訪れる見通し。

アラバマ州の連邦上院補選では、トランプ大統領が支援した共和党候補が民主党候補に敗れたばかり。ペンシルバニア州の特別選挙は2018年の中間選挙の行方を占ううえで、指針と見られている。共和党が敗北した場合、中間選挙でも苦戦が予想される。中間選挙での敗北は、今後のトランプ政権や共和党の政策実施がより困難になる。




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