中国で昨年、一部の受験生が高校側から無理やり志望校を変更させられていたことが明らかになった。一部の高校では、北京大学や清華大学といった中国のエリート校への合格者を確保するため、優秀な生徒に対し合格ラインがやや低い北京大学医学部看護科へ進路を変更するように強要していた。ある生徒が拒否したところ、複数の学校関係者から代わる代わる6時間にわたって「説得」されたという。

 中国メディアは、北京のある重点大学の入試担当教官が、地方の受験生から聞き及んだという話を報じた。雲南省のある高等学校では「高考」(中国の大学入試統一試験)で高得点を取った20数人の生徒に対し、校長が北京大学医学部を受験するよう強く求めていたという。

 別の学校でも同様のことが起きていた。ある生徒がこれを拒否したところ、副校長室に閉じ込められ、副校長や教務部長、担任などが代わる代わるやってきては、志望校を変更するよう求めてきた。ホームページ上での願書提出締め切りの1時間前になって、父親が駆けつけて校長の要求をきっぱりとはねつけたため、最終的にはこの学生は北京大学医学部ではなく、希望する大学の名前を願書へ記入することができた。

 北京大学医学部の入試担当教官も、入学志望に奇妙な偏りがあることに気がついた。通常、看護科を志望する生徒は女子が多いのに、多数の男子生徒が入学希望を出していたという点だ。

 この入試担当官は、雲南省のある高校でも、高考で高得点を取った生徒に対し、清華大学を志望するよう強制するという事実があったことを吐露している。

 こうした状況は雲南省だけでなく、他の省でも発生している。今年の入試でも、学校の求めに応じて希望しない大学へ進路変更せざるを得ない学生がいた。

■「自分も同じ目にあった」ネットで体験談続出

 このニュースは中国国内で大きな注目を集め、同じ目に遭ったというネットユーザーが次々とコメントしている。

 「私も受験の時に同じようなことを経験した。校長から呼ばれて数時間も説得され、ものすごく困った」。

 「受験の時、ある学生が清華大学の国防生(予備将校。卒業後に軍に入る)を志望するように言われ拒否したところ、学校が志望校の記入と提出をさせてくれなかった」。

 「最初は上海の復旦大学を志望していたのに、担任と副校長が代わる代わる電話攻撃をかけてきて、結局北京大学に志望校を変更してしまった」。

 あるネットユーザーは、「学校は自分たちの実績を上げるために、生徒たちに無理やり北京大学医学部を受験させ、子供の未来をねじ曲げている。生徒たちの気持ちを考えたことがあるのか? 校長が出世のために子供を犠牲にするなんて、恥知らずにもほどがある。生徒たちの夢は無残に打ち砕かれ、人生を曲げられた。なんと哀れな中国の教育制度…」と憤懣(ふんまん)やるかたないコメントを残している。

■問題の根源は教育システムにあり

 入試担当教官は、高校側が北京大と清華大への進学者を無理やりにでも増やしたいのは、地方政府の教育システムと関係があると分析している。例えば、高校の優劣を判断する際の重要な基準の一つに北京大と清華大への合格者数があり、この人数を基に学校への評価が加点される。ランクの高い学校には資金も入学希望者も集まるため、この基準が、学校を常軌を逸した行動に駆り立てている。

 「北京大か清華大に入学することは、君の義務だ!」とある校長が生徒に言い放ったこの一言は、教育現場の現状を如実に表している。

(翻訳編集・島津彰浩)

【ニュース提供・大紀元】


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情報提供元:FISCO
記事名:「志望校を無理やり変更させられる生徒 中国の受験生は高校評価の「持ち駒」か