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コラム【アナリスト夜話】:北朝鮮への金融的“兵糧攻め”の行方(マネックス証券チーフ・アナリスト大槻奈那)


4月の各種式典を経て、北朝鮮の動きが一層活発化しています。これを受け、今週末に実施された日経新聞とテレビ東京のアンケートでは、北朝鮮に対して「経済制裁を強化すべき」との回答が51%に上ったと報じられています。

しかし、これ以上の経済制裁は容易ではないでしょう。既に北朝鮮は、貿易取引に関する制約に加え、3月16日からは、銀行間の取引ネットワーク「SWIFT」からの締め出しという、金融面では世界最大級の制裁を受けています。

SWIFTとは、国際銀行間通信協会(Society for Worldwide Interbank Financial Telecommunication)のこと。全世界の1万1,000以上の銀行が加盟し、国をまたぐ資金取引の殆どがこのシステムを通じて行われています。ここからの締め出しは、いわば金融面の“兵糧攻め”を意味します。SWIFTが同様の措置を取ったのは2012年、他国の批判を無視して核開発を進めたイランに対してのみです。

SWIFTを回避して取引するには、現金を持ち出すか、他の小規模な決済システムを使うかしかありません。実は世界の国々の8割、約160もの国々が北朝鮮と国交を維持していますが、それでも、何億ものお金を持って入国しようとすれば当然各国の関税で引っかかります。

残る手段は、他の決済システムを使う方法です。例えば、Bitcoinを使うという手もあり得ます。かつてイランがSWIFTから締め出された時も、Bitcoinを使って民間海外決済が行われていると報じられました。が、まだこの市場はあまりにも小さすぎます。

中国との取引に限れば、銀聯等の限定的なシステムを使うこともあり得るでしょう。北朝鮮の貿易の9割が中国です。従って、北朝鮮と取引のある中国の金融機関に制裁を課すというのは今後の追加措置となり得ますが、これは中国をも敵に回すことになります。

では、北朝鮮問題はいつ、どう決着するのでしょうか。イランのケースでは、SWIFTからの締め出し後、核開発に関する交渉が進捗したとされます。半面、資金がまだ手元にあるうちに決着させようと、北朝鮮が大きな行動をとる可能性もあります。

SWIFTという英語はもともと「迅速な」という意味です。SWIFTでSWIFTな解決を、しかも穏便に、と願うばかりです。

マネックス証券 チーフ・アナリスト 大槻 奈那
(出所:5/1配信のマネックス証券「メールマガジン新潮流」より、抜粋)




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