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随所に見られる「強弱感交錯」


[日経平均株価・TOPIX(表)]

日経平均;27233.83;-7.48TOPIX;1917.33;-2.59


[後場の投資戦略]

 本日の日経平均は方向感に乏しい展開となっており、小安い水準で前場を折り返した。日足チャートを見ると、27200円台に位置する5日移動平均線を割り込んでスタートしたのち、同線水準を取り戻そうと陽線を引く格好。ここまでの東証1部売買代金は1兆6000億円あまりと前日並みに多く、強弱感が交錯している印象を受ける。個別株を見ても、海運株が前日から決算を受けて荒い値動きだ。前引けの日経平均が-0.03%なのに対し、東証株価指数(TOPIX)は-0.13%。東証1部全体としては値下がり銘柄の方が多く、業種別騰落状況も同様となっている。

 新興市場ではマザーズ指数が-1.98%と続落。第2四半期決算が赤字転換したメルカリ<4385>は売買代金トップで9%の下落となり、指数を押し下げている。一方、売買代金2位のFRONTEO<2158>は株価持ち直しに期待した買いが優勢となっており、ここでも強弱感の交錯が窺える。なお、本日はセイファート<9213>がジャスダック市場に新規上場し、公開価格比-8.0%という初値を付けた。前日上場した2022年IPO(新規株式公開)第1号のリカバリー<9214>に続き厳しい滑り出しである。リカバリーは公募・売出金額が20億円弱あったが、セイファートは10億円弱だ。この規模でも取引開始当初の換金売りを吸収するだけの買いが入らないところに、個人投資家のセンチメントの弱さが透けて見える。

 さて、英BOEは政策金利を0.25%引き上げて0.5%としたほか、保有資産の縮小を開始。また、金融政策委員会(MPC)メンバー9人のうち4人は0.5%の利上げを主張し、金融市場では英利上げ加速を織り込む動きが強まった。ECBでも年内利上げの可能性が浮上。このところ米連邦準備理事会(FRB)要人らが3月の0.5%利上げに消極的な姿勢を見せ、主要中銀による金融引き締めへの懸念は和らぎつつあったが、こうしたBOEやECBの動向を受けて再浮上してきた格好だ。

 米債券市場では10年物国債利回りが1.83%(+0.06%)となるなど、幅広い年限で金利が上昇した。また、原油先物相場(ウエスト・テキサス・インターミディエート、WTI3月物)が7年4カ月ぶりに90ドル台に乗せる一方、期待インフレ率の指標とされる10年物ブレークイーブン・インフレ率(BEI)は2.38%(-0.03pt)に低下。グロース
(成長)株にとって逆風となるだろう。

 また、米ハイテク大手の決算と時間外取引での株価動向が連日話題となっている。
前の日に急落を強いられたメタに反し、アマゾンが時間外取引で急伸。昨年10-12月期の1株利益が市場予想を大きく上回ったことが好感されたようだ。もっともこれは11月に上場したリヴィアン・オートモーティブの株式評価益が押し上げたもので、1-3月期の売上高見通しは市場予想に届かず、実態として良好とは言えないとの見方もある。
今晩の米市場での株価動向を見極めたいところだろう。

 それに本日は米1月雇用統計も発表される。前哨戦のADP雇用統計では非農業部門雇用者数が予想外に減少し、新型コロナウイルス感染拡大による雇用悪化はある程度想定されているだろう。それ以上に注目されそうなのが賃金の伸びである。サービス部門の雇用者数が落ち込んでいることで平均賃金が予想以上に伸び、インフレ懸念を強めるのではないかといった見方も出てきている。

 こうした状況を踏まえれば、強弱感が交錯するのもうなずけるだろう。後場の日経平均も方向感に乏しい展開が続くとみておきたい。
(小林大純)
<AK>
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