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【中国の視点】人民元:新興国通貨の中で独歩高、外資の中国国債買いが支え


米国の追加利上げ観測の高まりや米ドル高の進行を受け、ブラジル・レアルやインド・ルピー、アルゼンチン・ペソ、トルコ・リラなど新興国の通貨安が連鎖している。これとは対照的に中国の人民元は底堅い展開を示している。

米ドル高や米利上げの実施に伴い、中国からの外資流出圧力は高まっている。一方、外資による中国国債の買いが拡大していることが元を下支えしている。統計によると、外資による中国国債の購入額は今年1-3月期に計1056億元(約1兆8163億円)に上ったという。外資は4月と5月に約1238億元の中国国債を取得したとみられている。

専門家は、外資による中国国債の買いが進んでいることについて、ほかの新興国通貨に比べて元が比較的に安定している上、国債の利回りが高いことが挙げられている。
ほかに、潤沢な中国の外貨準備高や、経済成長が安定していることなども買い安心感を与えていると指摘されている。

また、専門家は、米連邦準備制度理事会(FRB)が予想通り6月に利上げを実施した場合、新興国の通貨安が一段と進行する恐れがあると警告。一方、比較的に安全だとみられている中国国債の買いが一段と拡大される可能性が高いため、これが再び元をサポートすると予測した。

なお、国際金融協会(IIF)が発表した最新データによると、外資は5月に新興国から計123億米ドル(約1兆3530億円)の資金を引き揚げたという。うち、債券と株式市場からの流出額は60億米ドルだった。


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