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日本において実車を用いて実施した日産スカイラインのADAS HMIユーザビリティ調査評価結果をまとめたレポートをリリース



2020年9月、SBD Automotiveは日本において日産スカイラインのADAS HMIユーザビリティ調査を実施し、その評価結果をまとめたレポート「自動運転機能UXベンチマーク評価 - Nissan Skyline」AUT806(20c)を2020年10月1日に発行しました。
https://insight.sbdautomotive.com/rs/164-IYW-366/images/806_20IB_J.pdf

2019年9月に発売された同モデルでは、ドライバーの監視のもと限定条件下でステアリングから手を放して車両を巡行させることのできる、「プロパイロット2.0」を搭載しています。

同システムのインターフェースは、インフォテイメント内の設定、ステアリング上のスイッチ、インストルメントクラスター(IC)に加え、ADAS情報に特化したヘッドアップディスプレイ(HUD)で構成されています。

HUDはカラー液晶が採用されており、グラフィック表示とともに、3つの色でプロパイロットの状態をユーザーが理解しやすい形で表示しています。プロパイロット作動状態に使用される青、緑、白とは別に、車線警告(LDW)、後側方車接近警告(BSM)の警告色は黄色、ドライバーの状態に対する警告(ハンズオフ警告、アイズオフ警告)は赤で表示されるなど、表示される色によって何をシステムが伝えたいのかが明確です。HUDは常にドライバーの視野内に表示されるため、安全にかかわるADAS情報を表示するには非常に好ましい位置であるといえます。HUDはプロパイロット2.0の状態のほか、車速、制限速度、ナビゲーション情報も表示しますが、ナビゲーション情報は非常に簡素化されたものであり、競合車の一部で見られるような詳細なナビゲーション表示はありません。

【画像 https://www.dreamnews.jp/?action_Image=1&p=0000223612&id=bodyimage1

またプロパイロット2.0の作動状態はIC内により詳細に表示されます。IC内ではHUDに表示される情報に加え、条件が整っていれば隣接している車線の情報も表示されます。IC、HUDに表示される情報には、ともにLDW、BSMの警告も統合されており、ドライバーは一つの画面内ですべての警告を確認することができます。とくにBSMはサイドミラーやAピラーに配置されたランプが光るだけという実装が多い中、この実装はプロパイロット2.0のユーザビリティを高めるでしょう。

作動中のインターフェースは非常に良いと考えられるのと比較して、作動するまでのインターフェースには改善すべき点が多数発見されました。第一にはステアリング上のボタンです。多くのシステムと同様に、PD起動ボタン、RES + / CANCEL / SET -が配置されていますが、RES + / CANCEL / SET -は一つのトグルスイッチで操作するようになっており、慣れていないユーザーはスイッチ操作に戸惑う恐れがあります。

第二にADAS設定の多さです。今回調査したADAS機能群には、インフォテイメントの設定メニュー内で多くの設定が与えられており、これはユーザーに選択権を与えている実装でもありますが、ADAS設定が過度に複雑になってしまう一因でもあります。技術的な知識を持つユーザーや、車が好きなユーザーには好印象を与える可能性がありますが、一方でそうでないユーザーには多くの設定項目により「下手に触りたくない」という印象を抱かせてしまう可能性もあります。

【画像 https://www.dreamnews.jp/?action_Image=1&p=0000223612&id=bodyimage2

そのほかとしては、SBDが調査してきたADASシステムのほとんどに共通するものですが、警告音がメディアやナビゲーション音声に対して優先して発せられないという点です。スカイラインに実装された警告音のシステム自体は危険度が上がるにしたがって音量や雰囲気が大きく深刻になりドライバーに対する警告度合いが直感的に伝わるものです。しかしメディアやナビゲーション音源に対して優先されないため、かなりの段階に到達するまで警告音がドライバーに受け取られない可能性があります。

この点はADASシステムの黎明期から課題として残り続けています。今後、運転機能のより多くを車両側が担うにあたり、よりスマートに統合されたコックピットシステムが必要とされるでしょう。

また、法規制の面から考えてもそのような警告のスマート化は今後自動化レベルを上げていくにしたがって必須の対応となります。2020年6月に国連で採択されたALKSシステム(=SAEレベル3相当)の型式認証要件にはHMI要件も含まれており、「警告音は明確で十分に大きいこと」ということが要件の一つとなっています。このほかにも本記事中で取り上げた「システム作動状態」や「システム起動の手段」などがHMI要件を構成しており、OEMが自社ブランドの自動化を進めるためには法規制に準拠したうえで、ドライバーにとってもわかりやすい、操作しやすいシステムを構築する必要があります。

<レポートの詳細>
https://insight.sbdautomotive.com/rs/164-IYW-366/images/806_20IB_J.pdf

本記事および各レポートの詳細に関するお問い合わせは下記にて承っております。

SBD Automotiveジャパン
〒460-0002 名古屋市中区丸の内2-18-22三博ビル6F
Tel: 052 253 6201
E-mail: postbox@sbdautomotive.com
https://www.sbdautomotive.com/ja/

【SBD Automotiveについて】
英国を本拠とする自動車技術の調査・コンサルティング会社です。1997年の創業以来、日本、欧州(英国とドイツ)、米国、中国の拠点から自動車業界に携わるクライアントをグローバルにサポートしています。
クライアントは自動車メーカー、サプライヤー、保険業界、通信業界、政府・公的機関、研究機関など自動車業界のバリューチェーン全体。調査対象エリアは欧州、北米、中国、ブラジル、インド、ロシア、東南アジアなど世界各国の市場を網羅。自動車セキュリティおよびIT、コネクテッドカー、自動運転などの分野において調査を実施、各種レポートやコンサルティングサービスを提供しています。



配信元企業:SBD Automotiveジャパン
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