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福島県民の8割が、複数の廃棄物に応じた焼却炉が存在することを知らず ― 住民の意思に基づく焼却炉選定が課題



東日本大震災から4年が経過し、沿岸部を中心に被災地では「がれき」の撤去が進行しています。それにともない、放射性物質を含んだ廃棄物の処理は、稲わら・牧草・きのこ原木といった「農林業系廃棄物」などに移行しつつあります。
 これらの廃棄物を焼却する「仮設焼却施設」の建設や、廃棄物の種類に適した焼却炉などについて、焼却施設周辺に住む人々の理解はどの程度進んでいるのでしょうか。福島県内に住む20歳以上の男女1,000名を対象に、7月28日から30日まで、インターネット意識調査を実施しました。今回はその概要をお届けします。


■約8割が 「廃棄物に、複数の種類が存在する」ことを知っている
 東日本大震災によって発生した廃棄物には、地震と津波により発生した「がれき」、放射性物質に汚染された稲わら・牧草・きのこ原木といった「農林業系廃棄物」、下水処理施設で下水を処理する工程で発生する「下水汚泥」などがある。このように、「廃棄物に、複数の種類が存在することを知っている」と回答したのは78.4%だった。廃棄物に複数の種類が存在することは、多くの人に認知されているようだ。
■71.2%が 「仮設焼却施設」は必要と、廃棄物処理に前向きな考え
 廃棄物の中でも特に、一定程度の放射性物質を含んだまま十分処分されずに滞留し、生活環境等に大きな影響を及ぼしている廃棄物を廃棄するために、国によって福島県内で「仮設焼却施設」が建設されている。このような「仮設焼却施設」が必要だと思うかどうかについて訊ねると、「必要だ」と思っているのは71.2%となった。廃棄物処理に関して、民意は前向きのようだ。
■約8割が 「複数の廃棄物に応じた、焼却炉の種類がある」ことを知らない
 廃棄物を焼却するために必要とされる「仮設焼却炉」だが、廃棄物によって物理的な大きさと水分量が違うため、焼却に適した焼却炉の種類も異なる。震災で発生した「廃棄物の種類に応じて、適した焼却炉の種類が異なる」ことを知っていると回答したのはわずか20%で、全体の80%がその事実を知らないことが分かった。
■84.7%が 「焼却炉の形式によって、放射性物質濃度が異なること」を知らない
 さらに、炉の形式のうち例えば火格子(ストーカ)の上でゴミを燃焼させる「ストーカ炉」は、焼却後の排ガスに含まれる灰の放射性物質の濃度が、高温の砂の中でゴミを燃焼させる「流動床炉」よりも高いのが特徴だ。このように、焼却炉の形式によって、灰に含まれる放射性物質の濃度が異なることについて、「知っている」と回答したのはわずかに15.3%だった。
今回の調査により、廃棄物にそれぞれ適した焼却炉があるという事実を、福島県民の約8割が知らないことが分かった。その一方で、廃棄物を処理する「仮設焼却施設」について、必要だと思っている人は71.2%と、県内に蓄積している廃棄物の処理に対しては、多くの人が前向きであることも明らかになった。今後、適切な廃棄物の処理をスムーズに推進するために、廃棄物によって焼却炉の種類や特性などが違うことについて、住民に対して適切な情報提供を行う必要がある。さらに、焼却炉建設においては、住民の参加のもとで焼却対象物に適した焼却炉を選定していくことが必要だろう。



<お問い合わせ先>
⇒調査内容についてのお問い合わせは下記までお願いいたします。
特定非営利活動法人 日本公共利益研究所
http://publicinterest.jimdo.com/%E3%81%8A%E5%95%8F%E3%81%84%E5%90%88%E3%82%8F%E3%81%9B/














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