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「なぜ東京大学には女性が少ないのか?」 学内のポスターで問いかけ


 なぜ東京大学には女性が少ないのか――。女性の比率が学生で2割、教授で1割にとどまる東京大(藤井輝夫学長)で、そんな「問い」と「答え」を記したポスターが張られた。ポスターには無意識の偏見や差別に基づいた言葉の数々が並び、ジェンダーバイアス(性別に基づく固定観念)を可視化する狙いがあるという。

 このプロジェクトは、女性リーダーの育成に向けた東大の企画「UTokyo男女+協働改革#WeChange」の一環。学内の意識改革や女性研究者のキャリアアップ支援と合わせ、2027年度までに教員の25%、学生の30%を女性にすることを目標に掲げている。ポスター掲出はジェンダーバイアスの是正という狙いがある。

 まず今月1日に張られたのは、黄色の背景に白抜きの大きな「Q」の文字と「なぜ東京大学には女性が少ないのか?」という言葉を記したポスター。学内に約15枚のほか、本郷や駒場キャンパスの食堂で利用するトレー約2000枚に掲示された。

 さらに20日には、その「答え」となる3種類のポスターが張り出された。それぞれ女性の姿の周りに手書きの文字が記されている。「女子が大学院に行って意味ある?」「女性なのに研究熱心だね」「旦那さん優しいね、遅くまで働かせてくれて」。何げない言葉であってもジェンダーバイアスが潜んでいる。プロジェクトでは、女性の意欲をそぎ、未来の可能性にまで悪影響を与える恐れのあるこうした言葉を「#言葉の逆風」と名付けた。

 これらは学生や研究者、教員を対象に実施した23年のアンケートで実際に女性が言われたり、書かれたりした言葉を基に構成したという。「思い起こして書くことがつらい」という声もあり、無意識に目に入らないよう「問い」を記した半透明のポスターをかぶせて2枚重ねにした。ポスターは今月末まで掲示される。

 プロジェクト責任者の林香里副学長は「女性が勉強すること、女性が高いキャリアを狙うことは女性らしくないというような固定観念がいまだあり、それがずっと再生産されている。自分のやりたいことを突き詰めることがなぜ悪いのか、女性も男性も関係ないということを小さい頃から教育していかないと全員参加の社会にはならない。皆で線を引き直すという覚悟でプロジェクトを実施した」と話す。【井川加菜美】

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