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リニア推進か中止か 静岡知事選 立候補予定3人が公開討論会


 川勝平太知事の辞職に伴う静岡県知事選(9日告示、26日投開票)を前に、立候補予定者3人による公開討論会(静岡青年会議所主催)が2日、静岡市清水区で開かれた。全国的にも注目されるリニア中央新幹線静岡工区への対応については、元副知事の大村慎一氏(60)と前浜松市長の鈴木康友氏(66)が推進する考えを示したのに対し、共産党県委員長の森大介氏(55)は「中止を求める」と明確に逆の主張をした。【丹野恒一、田中綾乃】

 公開討論はリニアのほか、「あなたが描く静岡のビジョン」と「子育て支援」の計3テーマで実施。登壇者同士が質問し合う形式も取り入れて議論を深めた。

リニア中央新幹線

 大村、鈴木両氏は大井川流域の市町などの声を聞きながら確実にリニア建設プロジェクトを進めていく点で一致。大村氏は「リニア開通後は東海道新幹線の停車数が1・5倍になる試算はあるが、もっとメリットを具体的にしていく必要がある。『県とJR東海の約束だけでは不安だ』という流域の声に応え、国の関与も明確にする」と述べた。鈴木氏も「のぞみがリニアに移行すれば、JRは東海道新幹線の売り上げを底上げするため、ひかりやこだまの本数を増やす。それをどれだけ県へのメリットにしていくかしっかり交渉する」と約束した。

 一方、森氏はトンネルが掘られる南アルプスの自然環境と大井川の水を守る重要性を訴えたうえで、「コロナ禍を経てリモート化やオンライン会議が進み、高速移動のニーズは薄れた。リニアは現在の新幹線の4倍もの電力を使い、世界の流れにも逆行する。『もう決まったことだから』と思考停止してはいけない」と強く訴えた。

 大村氏はまた、静岡工区をめぐる諸課題について「1年以内に結果を出す」と具体的な期限を明示。討論終了後の取材に対し、「1年以内に着工を認めるという意味ではないが、期限を区切ることによって議論を加速していきたい。これまでの積み上げからみれば1年程度が適切だ」と説明した。鈴木氏は「1年は短い。なかなか大変だ」と懐疑的な反応を示した。森氏は「非常に横暴だと感じた。そんな簡単な問題ではない」と批判した。

静岡のビジョン

 県の将来像とそれを具体化する政策について、鈴木氏は「幸福度ナンバーワンの静岡県を作る。福祉、教育、医療など総合的にやっていかなくてはならないが、中でも産業政策が大事だ。浜松市長時代に力を尽くした企業誘致を全県に広げる」と力を込めた。

 森氏は「命と暮らしを守る。南海トラフ巨大地震が起きれば、津波と放射能汚染が襲ってくる。浜岡原発は再稼働ではなく一刻も早く廃炉にしなくてはならない」と述べた。

 大村氏はかつて消防庁に所属した経験から「まずは防災の強化。長年やってきて、私はその道のプロだ。知事が先頭に立って、伊豆縦貫道など必要なインフラを国に要望していく」と述べた。

子育て支援

 若者の県外流出が続くなか、子育て支援をどう充実させていくか。森氏は「18歳以下の医療費や小中学校の給食を無料化・無償化する。税金の使い方を暮らし福祉最優先に切り替えれば、財源は十分にある」と指摘した。

 大村氏は「子育て支援は教育、医療福祉、雇用労働と幅が広いが、今の県庁の体制は縦割り感がある。新たな組織づくりをして総合的に推進していく」との考えを披露した。

 鈴木氏は「結婚から妊娠、出産、子育てまで切れ目のない支援が重要だ」と指摘。森氏から学校給食の無償化について尋ねられると「財政的に厳しく、いったん始めるとやめられないので決断が必要だ。一方で、ある程度の受益者負担は必要なので完全無償化には一定の疑問を持っている」と答えた。

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