民間調査会社の帝国データバンクは29日、3月に値上げ予定の食品が728品目になると発表した。レトルト食品や冷凍食品などの加工食品、チョコレート製品を中心とした菓子が中心で全体の約7割を占める。前年同月（3503品目）比で8割減と大きく減ったが、4月はハムやソーセージなどの加工食品を中心に、半年ぶりに3000品目超の大規模な値上げとなる見通し。
3月に値上げされる食品分野別の品目は「加工食品」が407品目で最多で、菓子（147品目）▽酒類・飲料（73品目）▽調味料（66品目）▽乳製品（35品目）――が続いた。
「菓子」はチョコレート加工製品が中心で、原料の砂糖と、天候不順で不作となったカカオ豆の価格上昇が影響したとみられる。
4月以降は、トマトやオレンジ、カカオ豆など局所的な価格高騰が続く原材料もありそうで、関連する食品では引き続き、値上げが考えられる。また大豆やコショウなどの価格が上昇しており、早ければ5月以降に「調味料類を中心にまとまった値上げが発生する可能性がある」という。
食品価格は小康状態を保ってきたが、原材料の値上げ再燃のほか、人件費や物流費の高騰が続いている。それらを商品価格に転嫁する動きが浸透しており、帝国データバンクは24年全体の値上げは最大1万5000品目前後と予想している。【嶋田夕子】
