イスラエル、ユダヤ人入植地の拡大を発表 銃撃事件を受けて報復

　イスラエルのスモトリッチ財務相は22日夜、イスラエルが占領するヨルダン川西岸で、ユダヤ人入植地に3344軒の住宅を新たに建設すると発表した。西岸の入植地付近で22日に起きた銃撃事件で、イスラエル人12人が死傷したことを受けての措置だという。

　住宅を建設するのは、事件があったエルサレム近郊の入植地「マアレ・アドミーム」など。占領地で入植を進めることは国際法違反だが、ネタニヤフ政権はパレスチナ人による事件が起きた場合、報復として入植地を拡大する方針を掲げている。

　イスラエルは、パレスチナ自治区ガザ地区のイスラム組織ハマスとの戦闘が続く中、西岸でもパレスチナ人の取り締まりや移動制限などを実施。パレスチナ人は不満を募らせている。入植地を拡大した場合、西岸の緊張がさらに高まりそうだ。

　銃撃事件は22日朝に発生した。入植地付近でパレスチナ人の男3人が渋滞中の車列に銃撃し、イスラエル人の男性1人が死亡、妊婦を含む11人が負傷した。発砲した3人のうち、2人はその場で射殺され、1人は拘束された。【エルサレム三木幸治】