大阪湾で死亡の迷いクジラ、埋却・骨格標本に 大阪府方針

　大阪湾の堺泉北港に迷い込んでいるのが確認されていたクジラについて、大阪府は19日、現地に専門家を派遣して調べたところ、死んでいるのを確認したと明らかにした。16日には生存を確認していたが、18日になって海上保安庁から「クジラが動いていない」との情報が寄せられていた。府は週内にも死骸を堺市内の産業廃棄物処理場に一時埋却する方針。1～2年後に掘り起こし、大阪市立自然史博物館に骨格標本として提供する。

　クジラは1月12日以降、神戸市東灘区や大阪府岸和田市などで目撃され、23日ごろから堺泉北港内にとどまっていた。マッコウクジラのオスとみられ、体長13～14メートル、体重25～30トン。当初は潮を吹いている様子も見られ、府などが動向を見守っていた。現場は浅瀬で餌もないことから、衰弱死したとみられる。

　大阪湾では2023年1月にも淀川河口付近に迷い込んだマッコウクジラが死んだ。作業船で紀伊半島沖に運んで沈めたが、一連の処理費用に計8019万円を要した。府によると、埋却の方が海洋投棄に比べ費用を抑えられるという。【井上元宏、藤河匠】