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教習所で卒検合格後の帰路で…高齢ドライバーにはねられ、19歳死亡


 福島県鏡石町のJR鏡石駅前で15日に男女2人が軽乗用車にはねられた事故で、救急搬送された埼玉県宮代町須賀、大学1年、星野友哉さん(19)が出血性ショックで死亡し、神奈川県の大学生の女性(19)は頭の骨を折るなどの重傷を負った。2人は自動車教習所で卒業検定に合格した後、首都圏に帰宅する途中に見舞われた悲劇だった。

 須賀川署は、軽乗用車を運転していたパート従業員、面川秀子容疑者(72)を自動車運転処罰法違反(過失運転傷害)の疑いで現行犯逮捕した。星野さんが亡くなったことを受け、過失運転致死傷の容疑を視野に入れて捜査している。面川容疑者の自宅は現場から北西へ約200メートルにあり、通院のために運転していた。同署によると、現場付近にブレーキ痕はなかった。

 現場に居合わせた女性(38)によると、駅待合室のソファで、面川容疑者が警察の事情聴取に「(駅前丁字路を)左折する際、ブレーキとアクセルを踏み間違えた」と答えていたという。

 「ドーンという音がしたと思ったら、玄関口に置いた植木鉢(直径約80センチ)と一緒に女性がサッシを突き破って飛び込んできた」。待合室と約2メートルの通路を挟んだ駅舎内にある産直所の店長、八木操さん(67)が事故の衝撃を振り返った。目の前に大破した車が見えたが、何が起きたかすぐには理解できなかったという。

 事故発生は15日午後3時50分ごろ。当時、客は1人だったが、産直には平日も約150人が訪れ、店と待合室の通路を往来するという。容疑者が進入してきた道路は「ロータリーの出口だから小さな子を連れたママさんたちが安心して散歩している場所」だった。

 面川容疑者の近所の50代女性は、容疑者の日常について「普通に運転している。この辺りは買い物も仕事も車がない生活は考えられないから」と話した。

 被害者2人が通っていた鏡石町内の自動車教習所では路上教習の際も、現場前の町道を走行する。年間入校者約1500人のほとんどは運転免許証の取得を目的に、隣接する須賀川市内のホテルに泊まりながら合宿受講する県外の若者たちだという。被害者2人も、約2週間の講習を終えて15日の卒業検定試験に合格し、帰宅するため計6人が乗った教習所の送迎バスから降りて駅舎に向かっていた。

 教習所の事務責任者は「未来のある若者が悲劇に遭った。うちも高齢ドライバー教習で『気をつけて』と呼び掛けているが、なんともやるせない思い」と唇をかんだ。【根本太一、岩間理紀】

高齢者絡む事故、全体の3割弱占める

 県警によると、県内の65歳以上の高齢者が絡んだ事故は、2019年925件(事故全体の23・6%)▽20年837件(同25・6%)▽21年806件(同26・9%)▽22年786件(同29・1%)▽23年839件(同28・8%)――で事故全体の3割弱を占めている。24年も2月15日時点で既に113件が発生。22年11月には、福島市内で97歳の男性が運転する乗用車が計5人を死傷させた事故が起きた。

 一方、県内の65歳以上の免許の自主返納数は、東京・池袋で高齢者が運転する乗用車が暴走して母子が死亡する事故が発生した19年の7848件をピークに、20年7080件▽21年6323件▽22年6026件▽23年5948件――と減ってきている。県警運転免許課の担当者は「免許センターなどでは高齢ドライバーの悩みに応じる相談窓口も設置しており、少しでも自分の運転に不安を感じるなど相談があれば連絡してほしい」と話している。【岩間理紀】

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