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「老朽化は理由にならず」明け渡し一部認めず 京大吉田寮訴訟


 京都大が大正初期に建築された学生寮「吉田寮」(京都市左京区)に住む寮生ら40人を相手取り、不法占有に当たるとして明け渡しを求めた訴訟の判決で、京都地裁は16日、大学側の請求を一部棄却し、現在も居住する14人は明け渡す必要がないとの判断を示した。松山昇平裁判長は「寮生らと大学の間では在寮契約が成立し、建物の老朽化は退去させる理由にはならない」と判断した。

 一方、寮生3人については退去を命じ、既に退寮した23人には荷物などを撤去して明け渡すよう求めた。

 訴訟の対象になったのは1913年に建築された木造2階建ての「現棟」と呼ばれる建物で、現存する国内最古の学生寮とされる。寮生らによる自治会が管理・運営し、入寮者の募集も担ってきた。

 大学側は老朽化による耐震性不足などを理由に、2018年9月末までの退寮を求めたが、反発する自治会との協議が決裂。大学が学生を訴える異例の訴訟に発展した。寮生側は「適切に補強すれば使用を続けられる」として争っていた。

 判決は、大学と自治会の間では71年から、入寮に関する一切の手続きを自治会が行う合意が成立していたと判断。大学は17年12月19日に寮生の安全確保策をまとめた基本方針を発表しており、この日までの入寮を認め、それ以降は受け付けなかったと認定した。

 そのうえで現在も入居する寮生17人のうち、基本方針の発表日までに入寮した14人は、入寮の権限を大学から委ねられた自治会によって選考されており、在寮契約が成立していると判断。それ以降に入寮した3人については退去を命じた。

 「震度6強で倒壊の危険がある」などとする大学側の主張に対しては、寮生を退去させられる理由を定めた規定に「老朽化」が含まれていないと指摘。大学側も従来は補修が有効だと認めていたとし、「耐震性が不足するとしても、それを理由に在寮契約の継続が著しく困難となったとは認められない」と結論付けた。

 京大は「判決内容を確認中で、コメントは控える」としている。【久保聡】

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