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遺言状もデジタルで 全文手書きの見直しを法制審に諮問へ


 小泉龍司法相は13日の閣議後記者会見で、デジタル技術を活用して本人が遺言を作成できるようにする民法の見直しについて、15日に法制審議会(法相の諮問機関)に諮問すると明らかにした。現行は、遺言の全文を自書する必要があるが、デジタル化によって負担を軽減し、相続トラブルの防止につなげる狙い。本人の意思に基づくことをどう担保するかや、偽造・改ざんを防止する仕組みづくりが議論のポイントになりそうだ。

 民法は、本人が遺言を作成する「自筆証書遺言」の場合、自ら全文と日付、氏名を手書きし、押印しなければならないと定める。

 財産目録については2018年の民法改正で、パソコンでの作成・添付が認められたが、本文は対象外だった。本人の真意に基づくことを担保するため、厳格な方式を採用しているが、全文手書きは作成時の負担が大きいとの指摘があった。政府が22年6月に閣議決定した規制改革実施計画では、デジタル技術を活用する方式の検討が盛り込まれていた。

 法制審では、パソコンをはじめとするデジタル機器を使った遺言書の作成方式が検討される。手書きと違って本人が書いた遺言と確認しづらくなるため、電子署名を活用したり、入力する様子を録音・録画したりする案も取り上げられる見込み。押印する必要性の検証やデジタル機器を使える範囲も議論されるとみられる。

 会見で小泉法相は、認知症や知的障害で判断能力が不十分な人を支える成年後見制度の見直しについても、法制審に諮問すると明らかにした。高齢化の進展に伴い、ニーズの増加や多様化が見込まれることから、制度を利用しやすくする。

 00年に始まった成年後見制度は、本人の判断能力が不十分になった後、家裁が後見人を選任する「法定後見」と、本人に判断能力があるうちに後見人を選任する「任意後見」がある。最高裁によると、22年12月末時点で制度の利用者は24万5087人で、大半が法定後見だ。認知症の高齢者が25年には約700万人に上ると推計される中、利用は伸び悩む。

 背景には、法定後見で後見人が決まると、本人の判断能力が回復しない限り、制度の利用をやめられない点がある。状況に応じた交代が実現せず、本人の自己決定権も必要以上に制限されるとの弊害が指摘されていた。

 法制審では、法定後見に期間制を導入する仕組みが議論される見通し。【飯田憲】

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