小学生ら12人かんだ犬、義務の狂犬病予防注射せず 群馬・伊勢崎

　群馬県伊勢崎市田中島町の公園で小学生ら12人が犬にかまれて負傷した問題で、この犬が狂犬病予防法で義務づけてられている年1回の予防注射を受けた記録がないことが9日、市への取材で明らかになった。犬は四国犬で、飼い主の会社役員の男性（62）は計7頭飼っているが、かんだ犬を含む4頭は市に登録がなく、残り3頭も予防注射の記録は約10年前が最後だという。

　同法は犬の所有者に市町村への登録と、年1回の狂犬病の予防注射を義務づけている。市は発生翌日の8日、飼い主に適正に犬を飼育するよう指導した。市によると、犬は現在、県の動物愛護センターで保護しており、飼い主と協議して返す段取りなどを決める予定。

　小学生ら12人は7日夕、同市内の西部中央公園と田尻公園の近くで体長約130センチの犬に襲われた。伊勢崎署によると、犬は近所の住民が飼っていた小型犬にもかみつき、死なせたという。【大澤孝二、西本龍太朗】