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災害ごみ244万トン、途方に暮れる被災地 「手がつけられない」


 「どこから手をつければいいのか」。能登半島地震の被災地では、崩れた家のがれきや塀のほか家具、家電などの多くが地震発生以降そのままになっている。石川県は6日、県全体で災害廃棄物が推計244万トン、被害甚大な奥能登の4市町では推計151万トンで年間ごみ発生量の59年分にも及ぶと明らかにした。被災者は街を覆うがれきを前に途方に暮れている。

 輪島市鳳至(ふげし)町の女性(68)は2階建て住宅の基礎が壊れるなどして住めなくなった。家族6人は親戚宅などに分かれて避難しており、日中は戻って割れたガラスなどを片づけている。「家族だけでは限界がある。ボランティアに来てもらえたら助かるが……」。近くの80代女性は「冷蔵庫などの家電は家の下敷きで取り出せない。家を解体する時に重機で持って行ってもらうしかない」と話した。

 輪島市河井町の介護施設職員の女性(58)は、被災建物の倒壊危険度を調べる応急危険度判定で「危険」を示す赤い紙が張られた家で1人暮らしをしている。輪島市では市が委託した業者が巡回して災害ごみを回収しているが、はかどっているとは見えない。「なかなか集めに来てくれない。これだけのごみを処理するのは大変だと思うが、不安だ」と訴えた。

 珠洲(すず)市や能登町、穴水町は仮置き場への災害廃棄物の持ち込みを受け入れている。珠洲市宝立町(ほうりゅうまち)鵜飼の堂岸十七男(どうがん・となお)さん(81)は2階建て住宅の1階がつぶれた。「全く手がつけられない。家が奥まったところにあるので、まずはがれきが散乱している道路を片づけてもらわないとどうしようもない」と困り果てていた。

 能登町小木の会社員、三田祐也さん(36)は母、祖母との3人暮らし。地域ごとに災害廃棄物を搬入する曜日が決まっており、軽トラックを借りて運ぼうとしているが「仕事をしていると決められた日に出しに行くのが難しい。災害ごみを片づけないと、(避難先から)戻りたい人も戻れない。行政は早く対応してほしい」と強く求めた。【黒川晋史、山中宏之、高橋広之、福原英信】

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