トヨタ自動車グループの豊田自動織機のエンジン認証不正問題で、同社は29日、自動車用3機種を含むエンジン10機種で新たに不正が見つかったと発表した。国土交通省は同日、不正が見つかった生産中のエンジンについて、国交省が基準適合性を確認するまで出荷を停止するよう指示した。
今回、不正が発覚した自動車用3機種は、いずれもディーゼルエンジンで、トヨタ自動車の「ハイエース」「ランドクルーザー」「ダイナ」、日野自動車の「デュトロ」など7車種に搭載されている。2022年度の国内販売台数は約8万4000台。
豊田自動織機によると、これらのエンジンの出力試験の際、燃料噴射量を不正に操作し、出力データなどを実際より見栄え良くしていたという。
フォークリフトエンジン6機種（現在生産中は1機種）と建機用エンジン1機種（生産終了）でも新たに不正が発覚。不正対象エンジンは計14機種に拡大した。
豊田自動織機は昨年3月、フォークリフト用エンジン3機種と建機用エンジン1機種の排出ガス性能試験で、一部のデータを改ざんしていたと発表。国交省は4月、このうちフォークリフト用のディーゼルエンジン2機種で、悪質な認証不正があったとして、道路運送車両法に基づき、大量生産に必要な「型式指定」を取り消した。【加藤結花】
