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ラブドールで藍染めPR! 徳島県監査委が賠償請求検討を県に勧告


 徳島県が特産の藍染めの魅力をPRする事業のために公費で購入したのは、40万円を超える成人用の等身大人形、ラブドールだった――。県監査委員は25日までに、購入は「違法」などとして、事業を担当した県観光政策課の男性職員(当時)らに対し、賠償請求を検討するよう県に勧告した。なぜラブドールが採用されたのか。

40万円超人形、公費で購入

 同課によると、ラブドールを使用したのは2017年度に民間委託した「阿波おどり空港における阿波藍魅力発信事業」で、事業費は約280万円。県外客の利用も多い阿波おどり空港(徳島空港)のロビー一角で、県特産である藍染めの衣装やちょうちんなどを展示する内容だった。

 同4月1日に始まり、6月からはスカートなどを着せたマネキン2体が追加展示された。マネキンは委託業者が1体1万3500円のレンタル料を払って準備した。ところが7月になると、マネキン2体は姿を消し、藍染めの浴衣などを着せたラブドール1体が登場した。当時事業を担当していた同課の40代男性職員が、業者に指示してラブドールを42万4440円で購入し、置き換えていた。

リアルさ追求で

 担当職員が事業でラブドールを使用した理由について、監査結果は「男性への効果的な藍製品のPR方法を検討していた際、リアルな人形を使用したアパレル展示が主流になってきている旨の記事をインターネットで見つけ着想を得た」と説明している。

 監査結果によると、6月下旬、男性職員が事業を委託した業者らと大阪市内のラブドール製造販売業者へ出向き、選んだとされる。男性職員の当時の上司は監査委員の聞き取りに対し、「マネキンに藍染めの衣装を着せて展示することは聞いていたが、リアルな人形を展示するとの説明は受けていない」などと証言しており、男性職員が独断で決めたとみられる。

30倍以上高額

 ラブドールの存在は、23年9月に地元情報誌の報道で明るみに。これを受け、扶川敦県議が同11月下旬に住民監査を請求した。

 県観光政策課は「(人間と見まがうほどに)精巧な人形の使用により事業効果は高まる」と主張したが、監査委員はこの主張を退けてラブドールの必然性をきっぱり否定。購入費がマネキンのレンタル料の30倍超だった点を踏まえ、「本件人形は著しく高額」と指摘した。また「子供や女性も多く利用する空港で使用することは配慮を欠き、公共事業としての倫理性が欠如していると言わざるを得ない。到底、県民の理解が得られるものではない」などと断じた。

 監査委員は「社会通念上著しく妥当性を欠き、地方財政法に違反する」などと結論づけ、県に対し、6月19日までに関わった職員への賠償請求を検討するよう求めた。後藤田正純知事は「知事就任前の事案ではあるが、任命権者として監査結果を重く受け止め、厳正に対処します」とのコメントを発表した。

 県の規則で、入手に掛かった金額が10万円以上のものは「消耗品」ではなく「備品」の扱いとなる。「県備品」となったラブドールは、この男性職員が同じ17年度に担当した別の2事業でも「活用」された。19年7月には「とくしま藍の日」にちなんだ民間団体のイベントでも使われたという。県によると、再び使用する予定はないものの、購入の経緯を巡り監査が請求されるなど「渦中」の人形だけに、県倉庫で当面保管する方針だ。【植松晃一】

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