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鳥取県立中央病院、救急救命士に指示拒否 鳥取市長「改善に期待」


 鳥取県立中央病院(鳥取市)の救命救急センターが県東部広域行政管理組合消防局の救急救命士からの医療行為(特定行為)の指示要請を10日間にわたり拒否した問題で、組合管理者の深沢義彦鳥取市長は19日の定例記者会見で「病院のガバナンスが機能していないこともあろうかと思うが、担当医の個別の要因に帰する事案ではないか」との見方を示した。そのうえで「関係者が真摯(しんし)に受け止めて改善に向けて動いており、その取り組みに期待している」と述べた。

 深沢市長は病院側が12日に記者会見して経過を説明したことを受け、「関係者が『指示要請拒否は不適切』という認識を持っていることを確認できた。知事からも『改善に向けてしっかり取り組む』と直接聞いており、状況を見て必要であれば要請していく」と話した。

 中央病院を巡っては搬送時、救急隊員に対するパワハラ行為も明らかになっている。深沢市長は「救急救命士は医師の指示を受けて処置をしており、そういった関係性からするとパワハラが起こり得る。あってはならないことで、考えられないこと。患者の生命、健康に関わり、改善していかないといけない」と指摘した。

 「消防、救急の職員は高い志と使命感をもって職務に当たっている。今後も職員に寄り添った対応を続けたい」と述べた。【山田泰正】

組織体制・人事見直し検討も

 一連の問題は19日の県議会福祉生活病院常任委員会でも取り上げられ、県立病院事業を管轄する県病院局の広瀬龍一・病院事業管理者が県民らに不安を与えたことを陳謝した。

 委員は医療行為(特定行為)の指示要請を拒否した救命救急センター長が県民に説明せず、「反省の言葉がない」と指摘。広瀬氏は「組織の人間なので、個人でどう思おうが謝罪は必要。だが現状ではその認識に至っていないようだ」と述べた。

 中央病院によると、センター長は東部地区メディカルコントロール協議会が定めた救急救命士の医療行為手順書が、消防庁通知を反映した最新のものになっていないことを問題視。院長の許可なく指示を拒否したとされる。しかし、上部機関の県救急搬送高度化推進協議会は、現行手順書での運用に問題はないと結論づけた。

 委員からは「センター長は現在、反省がないのに指示することは受け入れているのか」と疑問の声が上がった。広瀬氏は「手順書は改定作業中と聞いている。センター長は改定中と認識した上で受け入れている思う」と答えた。委員らは「県民の命に直結する」とし、消防局と病院との早期の信頼回復を求めた。

 広瀬氏は委員会後の取材に「病院の組織体制や人事の見直しを検討する必要があるだろう」と述べた。【阿部浩之】

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