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「阪神」原点にボランティア 福島大特任准教授、神戸大生と能登へ


 神戸大生の時に阪神大震災を経験し、ボランティア活動を経て被災地支援の実践・研究の道に進んだ福島大特任准教授の藤室玲治さん(49)が今週末、神戸大生8人を引率して能登半島地震の被災地に入る。「現地では決定的に人手が不足している」と神戸が原点となった災害ボランティアの必要性を訴える。【村元展也】

 藤室さんは神戸市北区出身。震災時、母校の兵庫高校(同市長田区)に避難してきた人たちの支援に関わったのをきっかけに、神戸大生らが結成したボランティア団体「学生震災救援隊」の一員として灘区の仮設住宅でボランティアを続けた。大学院を経て神戸大都市安全研究センターの研究員として災害ボランティアを専門とし、大災害が起きるたびに現地入りしてきた。2022年10月から福島大で東日本大震災と福島第1原発事故の被災地の復興施策に携わる。

 07年の能登半島地震では石川県輪島、七尾両市で地元の区長らに協力して復興を支援。その後も交流を続けた。今回も現地に電話を入れ、3~4日と13~14日の2回、1人で車で向かい、07年に知り合った人たちに飲料水などを届けた。

 藤室さんによると、13~14日には避難所の人数は減少し、輪島市内にも食料や生活用品を買える店舗はあったという。だが、買い物や給水に車が不可欠で「車のないお年寄りは取り残されている。水も電気もない自宅で避難する人への支援が急務だ」と指摘する。

 3度目の被災地入りは20、21両日。「救援隊」メンバーが七尾市で足湯ボランティアをするほか、地域住民が担っている被災家屋の清掃、道路補修などの復旧作業を手伝う予定だ。

 藤室さんは「国や自治体は『今は外からボランティアに行かないで』と発信するが、地元の人とつながりがあれば現地でやるべきことは多い」と話す。

「親の悲嘆は死ぬまで」 阪神の遺族

 藤室さんは「救援隊」との共催で16日夜、阪神大震災で神戸大生だった長女志乃さん(当時20歳)を亡くした上野政志さん(76)=佐用町=の講演会を神戸市灘区で開いた。能登半島地震の被災地入りを前に学生ら約30人が熱心に耳を傾けた。

 上野さんは「親はどんなに苦労しても子供の成長を楽しみにしている。能登半島地震の報道で家族を失った男性が同じことを話しているのを知り、心が痛む。親の悲嘆は死ぬまで続く」と話した。

 元小学校教員である上野さんの話は震災にとどまらない。教え子1人が亡くなり、1人が行方不明となった09年の佐用町の水害や東日本大震災、国内外の災害や紛争を伝える報道を列挙し「理不尽な死のことを学び、『生きてこそ』を胸に刻んでほしい」と訴えた。

 参加した工学部3年、西畑克俊さん(21)は能登半島での活動に向けて「被災者にどう話しかければいいのか難しいが、共感することを大切にしたい」と話した。

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