starthome-logo 無料ゲーム
starthome-logo

タウンエースやボンゴも 型式指定取り消し、ダイハツ生産停止長期化


 ダイハツ工業が自動車の大量生産に必要な「型式指定」の認証申請で不正をしていた問題で、国土交通省は16日、特に悪質な不正を確認したとしてダイハツ・グランマックス、トヨタ・タウンエース、マツダ・ボンゴの3車種の型式指定を取り消す方針を発表した。道路運送車両法に基づく異例の措置となった。

 斉藤鉄夫国交相が閣議後記者会見で明らかにし、「自動車認証制度の根幹を揺るがし、日本の製造業の信頼性にかかわる大きな問題だ」と述べた。

 同省は、ダイハツの組織体制の抜本的な改善を求める「是正命令」を出すことも公表。長年の不正横行の背景には、同社の企業体質に問題があると判断したとみられる。16日午後4時、斉藤氏がダイハツの奥平総一郎社長に是正命令書を手渡す。

 型式指定取り消しには、ダイハツからOEM(相手先ブランドによる受託生産)供給を受けている親会社のトヨタ自動車やマツダの車種も含まれており、影響はダイハツだけにとどまらない。

 関係者によると、この3車種については、試験車両に不正な加工を施し、申請した自動車と異なる構造の自動車で試験を実施したと判断。特に悪質な不正だと認定したという。

 型式指定を取り消されても、すでに販売済みの車両はそのまま乗っても問題はない。ただ、型式指定を取り消されれば、再取得するまで事実上生産できなくなる。再取得には2カ月程度かかるとされ、経営への打撃は甚大だ。国交省は企業体質も問題視しており、経営責任に発展するのは必至となる。

 国交省は23日、型式指定取り消しの処分に関してダイハツ側の説明を聞く「聴聞」を実施した上で、正式に処分する。国交省は2023年12月、大阪府池田市のダイハツ本社に立ち入り検査を行い、不正行為があった試験のデータが記録された書類の収集や関係者への聞き取りを実施していた。

 型式指定の取り消しは、大手自動車メーカーでは22年の日野自動車に続き2社目。日野自ではエンジンの型式指定を取り消し、ほぼすべての国内出荷が一時ストップした。経営責任をとって、生産担当の取締役ら計4人の役員が辞任した。

 是正命令は、19年の道路運送車両法改正で創設された。排出ガスのデータ不正があった日野自に22年9月に初めて適用された。今回、適用されるのは2例目。今後、国交省はダイハツに対し、再発防止策の提出と進捗(しんちょく)状況の定期報告を求める。

販売停止長期化避けられず

 ダイハツは国交省の指示により、国内で生産中の27車種について出荷を停止している。3車種の型式指定が取り消されることになり、生産・販売停止は長期化が避けられなくなった。

 同社は23年12月26日までに国内の完成車全4工場の生産を停止した。生産停止は少なくとも今年1月末までとの見通しを示していた。国内4工場で1カ月約8万台を生産し、生産ラインでは約7300人が働く。従業員は生産停止を受けて工場設備のメンテナンス整備などに従事していたが、生産停止が長期化すれば余剰人員の対応が必要になる。他の業務への転換が難しい夜勤の従業員は既に休業とし、給与を一定程度補償するとしている。休業補償の対象拡大などを含めて検討することになりそうだ。

 部品メーカーなど下請け企業への影響も拡大する。ダイハツは、直接取引のない2次下請けなどの企業についても人件費などを補償する方針を示している。同社は補償対象が車両の生産などに直結する4000社以上の部品メーカーなどと、輸送など間接的に関わる1000社以上になると想定している。【内橋寿明、加藤結花】

    Loading...
    アクセスランキング
    game_banner
    Starthome

    StartHomeカテゴリー

    Copyright 2024
    ©KINGSOFT JAPAN INC. ALL RIGHTS RESERVED.