次男失った母「再発防止は国の責務」 軽井沢のスキーバス事故8年

　長野県軽井沢町で大学生ら15人が死亡、26人が重軽傷を負ったスキーツアーバス事故から15日で8年になる。犠牲になった西原季輝さん（当時21歳）＝法政大3年＝の母が報道各社に手記を寄せ、交通死亡事故が続く現状に対し、「次の犠牲者を生み出さないことは国の責務ではないでしょうか」と再発防止の強化を訴えた。

　事故がなければ西原さんは今年で30歳になる。「同級生が結婚して子どもが生まれたという話を聞くと、次男（西原さん）にもそういうことがあったかなぁ」などと「次男がいれば」という今も続く悲しみをつづる。

　さらに、2023年6月、業務上過失致死傷罪に問われ、禁錮3年の実刑判決を受けた運行会社社長、高橋美作被告（62）らが控訴したことに「いまだに責任を認めない姿勢には本当に腹が立つ」と怒りをにじませた。

　事故の再発防止に向けて、国に対して「海外支援も大切かもしれませんが、国内にもしっかりと目を向けて正すべきところを見極めてほしい」と要望。「悲しい事故が二度と起きないよう、本気で取り組んでほしい」と呼び掛けた。【鈴木英世】