群馬県みどり市笠懸町で週末だけオープンするカフェ「珈琲（こーひー）バールkarei」が、業務用焙煎（ばいせん）機の貸し出しを始めた。2011年の東日本大震災をきっかけにおいしいコーヒーの研究を始めたあだちふとしさん（51）は、自分で焙煎したコーヒーを飲んでみたい愛好家の夢をかなえたいという。
カフェは住宅街の一角にあり、完全予約制。妻たかみさん（54）が主宰し、季節の食材を生かしたメニューが人気。ふとしさんは会社員で、東日本大震災が起きた時は東京に出張中だった。台東区の避難所に身を寄せ、不安な夜を過ごした。その後、テレビで被災者が「コーヒーみたいな嗜好（しこう）品が手に入らない」と語っているのを見た。
「お湯と豆があればコーヒーを煎れられ、不安な皆さんを笑顔にできるのでは」と感じ、東京で話題の喫茶店などを回っておいしいコーヒーを探し求めた。日本スペシャルティーコーヒー協会のコーヒーマイスターも取得。自宅の脇に焙煎コーナーを設置した。
焙煎はプロに任せることが多いが、そのプロセスは科学的に説明できるという。ふとしさんは「職人でなくても気軽に試してほしい」と考え、9月から焙煎機の貸し出しを始めた。
生豆（500グラム）代込みで初回は1人税込み5000円。焙煎の前に生豆から虫食いやかびた豆を取り除くことから始まり、指導を受けて焙煎機で浅煎りや深煎りなど、好みの味わいに仕上げることができる。問い合わせはメール(info@bar-karei.com)で。【大澤孝二】
