「ダイハツの存在意義である短期開発に原因」 第三者委会見/1

　トヨタ自動車の子会社のダイハツ工業であった車両の安全性を確認する試験での不正問題を調査してきた第三者委員会の貝阿弥誠委員長は20日開いた記者会見で「短期開発はダイハツの存在意義として組織内で根付いたもの。過度にタイトで硬直的な開発スケジュールの中で車両の開発が行われた。開発スケジュールを先送りすることは到底困難というのが実情だった」と述べた。スピード開発を重視するあまり、最終的な試験担当者は「強烈なプレッシャー」にさらされていたとした。

　報告書は、現場任せで管理職が関与しない態勢も問題があるとした。「問題が生じた真因」として、「ダイハツの経営幹部が、短期開発の推進にあたり、その効用にばかり目が行き、不正行為の発生というその弊害に思いが至らず、不正対応の措置を講ずることなく短期開発を推進したことにある」と認めた。

　ダイハツは4月、タイなどで販売した「トヨタ　ヤリスエイティブ」など4車種で衝突試験での不正があったと公表。5月に第三者委を設置し、調査を進めていた。その後、国内向けの車両でも不正があったと発表し、2車種の販売を停止した。【山下貴史】