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妙見山ケーブル、約100年の歴史に幕 惜別のファンが長い列


 大阪・兵庫の府県境にある妙見山(標高660メートル)のケーブルカーが3日、運行を終了した。参拝客や行楽客に親しまれてきた名物ケーブルの約100年の歴史の幕引きに、最終日も大勢の人が訪れ、別れを惜しんだ。

 この日、ふもとの黒川駅には始発を待つ親子連れや高齢者夫婦、鉄道ファンらが数十メートルの長い列を作った。営業終了日が公表された9月下旬以降利用客が増え、能勢電鉄(川西市)は運転間隔を20分から10分に縮めたが、休日は2~3時間待ちになることもあったという。

 午前9時に最終日の始発便の出発式があり、満員のケーブルカーを西中哲郎社長らが右手を上げて発車を合図し見送った。行列の最前列だった鉄道ファンの山崎正則さん(57)=大阪府松原市=は「歴史が長く味のあるケーブルで、廃止は残念です。9月以降、月2回は乗りに来ていました」と惜しんだ。約40年前から子連れの行楽で何度も利用した山岸智子さん(78)=川西市=は「車窓から見るサクラやアジサイなどの景色が楽しみでした。クラウドファンディングなどで資金調達して、残せなかったんでしょうか」と寂しそうだった。

 ケーブルカーは江戸時代からの霊場だった妙見山頂への交通手段として、1925年に営業を開始、太平洋戦争下の44年に戦局悪化で運転を一旦中止した。60年に、能勢電が単独で営業を再開すると、ピーク時の74年度には20万人近くが利用した。その後は減少傾向が続き、コロナ禍だった近年は半分以下に。一方、老朽設備の更新に数億円の投資が必要となり、能勢電は山頂行きのリフトなどとともに営業終了を決めた。

 出発式終了後、西中社長は「長い間利用していただき感謝の気持ちでいっぱいです。会社にとって一つのシンボルでした」と話した。【土居和弘】

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