茨城県警は10日、牛久市田宮2の住宅で、住人の夫婦とみられる男女の遺体を発見した。2人とも頭などに複数の傷があったという。県警は夫婦の息子（40）を銃刀法違反の疑いで直前に逮捕しており、2人が死亡した経緯についても事情を知っているとみて調べている。
県警によると、住宅は70代の男性と60代の妻、息子の3人暮らし。
息子は前日につくば市内で通行人が見知らぬ人物に暴行された事件に関与した疑いが目撃情報などから浮上しており、県警は10日午後2時ごろ、住宅近くの路上で刃渡り6センチ以上のアウトドアナイフを持っていたとして銃刀法違反の疑いで現行犯逮捕。約40分後、暴行事件の家宅捜索中に、男性が2階寝室のベッド、女性が布団の上で血を流して倒れているのを発見した。捜査関係者によると、死後1日以上たっている可能性があるという。
現場はJR牛久駅から北に約1キロの閑静な住宅街。近隣住民によると、男性は工務店を営んでいたという。近くに住む女性（80）は「何年か前に息子が見習いをしていたと思う。お父さんもお母さんも真面目で穏やかで優しい人。トラブルや騒ぎ声を聞くことはなかったのに」と表情を曇らせた。
別の男性（87）は「10日夕方、近くを通ったらざわざわしているとは思った。この辺でこういうことはなかったので、驚いた」と目を丸くした。【西夏生、川島一輝、長屋美乃里】
