ハマスが人質の動画公開 野外音楽フェスで拉致された外国籍女性か

　イスラエル軍と戦っているパレスチナ自治区ガザ地区のイスラム組織ハマスは16日、多くのイスラエル人を拉致した7日以降初めて、人質を撮影した公式の動画を公開した。ハマスには各国に対応を促すなどの意図があるとみられる。

　この人質はフランスとイスラエルの二重国籍の女性、マヤ・シャムさん（21）で、イスラエル南部で開催された野外音楽フェスティバルに参加した際、侵攻したハマス戦闘員に拉致されたとみられる。マヤさんは動画で、ガザの病院で腕のけがを治療してもらったと説明し、「できる限り早く自宅に連れて帰って。できる限り早くここから出して」と訴えた。

　動画公開に先立ちハマス軍事部門のオベイダ広報官は、ハマスが200人、他の組織が50人の人質をそれぞれ拘束していると説明した。外国籍の人質は「我々の客」であり、彼らを保護するとともに条件次第では解放すると言及。また、これまでにイスラエル軍の空爆で人質のうち22人が死亡したと主張した。

　ハマスは外国籍とイスラエル籍の人質を区別し、イスラエル側との交渉に使う方針とみられる。【エルサレム三木幸治】