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群雄割拠の将棋界、21歳の無双 「失冠なし」藤井聡太8冠の偉業


 2016年に将棋棋士としてデビューしていきなり史上最多連勝記録を打ち立て、数々の記録を更新してきた藤井聡太名人が、21歳の若さで史上初の8冠全冠制覇を成し遂げた。初挑戦からのタイトル戦連覇記録も18に伸ばした。僅か5年前は8人が八つのタイトルを分け合っていた戦国将棋界を統一したのは、当時デビュー2年の無冠だった藤井名人だった。

 「最後、負けそうな局面もあった。どの対局も難しい将棋で、実力不足を感じるところも多かった」。11日、京都市で指された王座戦五番勝負の第4局。ねじり合いの角換わり戦で一時は敗勢に陥ったものの最終盤で逆転し、読みを確認するかのように一手一手時間をぎりぎりまで使い、慎重に永瀬拓矢王座(31)を追い詰めた。終局後、大勢の報道陣が対局室に詰めかけるまで、無言のまま盤上に視線を落とした。質問が始まると、8冠までの道のりをかみ締めるように時折目を閉じながら応じ、喜びの声よりもこれまで通り「実力不足」と繰り返した。

 18年7月に「群雄割拠」状態だった将棋界では、40代の羽生善治九段(53)を筆頭に、20代の豊島将之九段(33)ら各世代の実力者8人が乱立し、タイトル争奪戦を繰り広げた。藤井名人は前年に史上最多の29連勝を果たしたばかりだった。

 20年7月に藤井名人が初タイトルの棋聖、続いて王位を獲得すると、渡辺明九段(39)、永瀬王座、豊島九段とタイトルを分け合う「4強時代」になった。

 藤井名人の勢いは止まらない。21年に豊島九段から叡王と竜王を奪って無冠に追い込み4冠、22年には渡辺九段から王将を奪取して5冠。今年は更に渡辺九段から棋王と名人を獲得して史上最年少名人となり、王座以外の7冠を制した。

 18回のタイトル戦を全て制しているのも圧巻だ。タイトル通算獲得80期の大山康晴十五世名人でも初のタイトル戦となった名人戦で敗れ、99期の羽生九段も初挑戦で竜王のタイトルを手にしたが翌年に失っている。羽生九段が「最初からずっとタイトルを一度も失わないのはとんでもないこと」と舌を巻くほどだ。

 8冠はゴールではない。大山十五世名人が果たしたタイトル戦19連覇や、タイトル保持者か挑戦者として大舞台に10年間立ち続けた50回連続タイトル戦登場という記録もある。空前絶後と思われた記録だが、藤井8冠は「大山超え」を果たせるのか。タイトル戦連覇記録は早ければ年明けの王将戦七番勝負で更新が懸かる。【丸山進】

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