「落胆のため息出るほどの男社会」神奈川県公安委員が県警に苦言

　神奈川県警は4日、定例の警察署長会議を横浜市中区の本部庁舎で開いた。冒頭、県公安委員会の岡田優子委員（71）＝元横浜市教育長＝は着任5年で得た組織の印象について「強固な縦型階級社会、必要以上の秘密主義、落胆のため息が出るほどの男社会」と苦言を呈し、変革を訴えた。

　岡田委員は、命がけの仕事や階級ごとの責任の重さを理解したうえで「パワハラとリーダーシップの違いに鈍感になっていないか」と指摘。立場を超えた発言ができないなど県警の印象を述べたうえで「今変わらなければ組織の発展はない。もっと風通しの良い組織に」と呼びかけた。

　隣県の警視庁と比べて女性警部が少ないことも挙げ、「なぜ女性幹部が育たなかったのか、あるいは育てなかったのか。考えていただきたい。県民の半分は女性。安全を守る組織マネジメントとして対応方針を決める立場に女性がいないのは実におかしい」などと約8分間にわたって思いを語った。

　会場には、県内54署の署長など90人超の幹部が出席したが、女性は寺﨑富美・運転免許本部長と有馬美奈子・栄署長の2人だった。【柿崎誠】