徳島市の内藤佐和子市長は26日、8月中旬にあった阿波踊りのプレミアム桟敷席が建築基準法に違反した状態で観客を入れて開催された問題について、定例記者会見で謝罪した。市職員が検査時に違反を指摘しながら改善されたことを確認しておらず、「組織トップである私に責任があることは十分認識しており、申し訳ない」と述べた。
内藤市長は会見で違法状態で開催された件について、取材を受けたことをきっかけに、検査に同席した建築指導課や阿波おどり未来へつなぐ実行委員会委員である市職員から8月25日に報告を受けたことを説明。「その時点で初めて問題を知った」と釈明した。把握が遅れたことについては、数多くの事業・事務手続きがあるため、担当部局長の責任で統括管理する体制をとっていることを理由に挙げた。
そのうえで、「今後、事務手続き過程の精査を行いながら（違法状態で開催された）原因について確認したうえで、実行委と市当局の相互チェック体制を作っていきたい」と述べた。
今回の問題を巡っては、22日に閉会した市議会で、「市長としての発言が全くない」などと、責任を問う「問責決議案」が提案（採決で否決）される事態になっていた。【植松晃一】
