京アニ放火公判 遺族「子どもいること知っていたか」 涙ぐみ質問

　36人が犠牲になった2019年の京都アニメーション放火殺人事件で、殺人などの罪に問われた青葉真司被告（45）の裁判員裁判の第8回公判が20日、京都地裁で始まり、被害者参加制度で出廷した遺族らが被告に質問した。

　事件で犠牲になった寺脇（池田）晶子さん（当時44歳）の夫（50）は検察官席に立ち、時折声を詰まらせながら質問。被告に「青葉さん」と呼びかけ、「池田晶子はターゲットでしたか」と尋ねると、青葉被告は「京アニ全体を狙う認識で、誰か個人を狙うという考えはなかった」と答えた。

　続けて「事件の対象者にも家族、子どもがいることを知っていましたか」という問いには、青葉被告は「申し訳ございません。そこまで考えなかったというのが自分の考えです」と述べた。【久保聡、安元久美子】