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全盲の彫刻家×谷川俊太郎さん 詩画集発刊 響き合うレリーフと詩


 詩人の谷川俊太郎さんと、群馬県下仁田町在住で視力を失った彫刻家の三輪途道(みちよ)さんが共同で制作した詩画集「かべとじめん」(メノキ書房)が7日、発刊された。谷川さんの一行詩と、三輪さんのレリーフの写真が響き合い、さまざまな心象風景が広がる作品となっている。【増田勝彦】

 三輪さんは30代後半で目の難病「網膜色素変性症」と診断された。症状は徐々に進み、現在は視力を失っているが、木彫から粘土と漆を使った脱乾漆(だっかんしつ)に技法を変えて制作活動を続けている。

 三輪さんによると、同書房が三輪さんをモデルに2022年7月に出版した「みえなくなった ちょうこくか」の帯の言葉を谷川さんに書いてもらった縁で、共同制作を打診したという。

 三輪さんは触覚を頼りに合板に石質粘土で形を盛り上げ、クレヨンとパステルを順番に並べ、視力を失う前の記憶をもとに色を選んで着色した。

 作品の実物と画像数点を谷川さんに送ったところ「かべとじめんというイメージがうまれました」とのメッセージと、17フレーズの詩が送られてきた。

 「タテに見れば壁、横に見れば地面、という簡単な発想から生まれた詩画集です。壁と地面の材質感を、触覚的に三輪さんが造形してくれたのでうれしく思います」。谷川さんは後書きでこう記している。

 谷川さんの詩に触発され、三輪さんは30点以上の作品を制作。その中から17のフレーズに合ったものを選んだ。三輪さんは「土着性にこだわる姿勢を重んじている私にとって、『かべとじめん』の詩は、ど真ん中ストライク。谷川さんの詩は繰り返して読むほどにさまざまな物語を生んでいく。読み方によってはウクライナ、ロシアの戦地へも想像の翼は飛んでいく」と話す。

 詩画集は税込み1870円。QRコードを読み込むと、詩の朗読を聞くことができる。県内主要書店などで販売している。また、詩画集の原画展が国際現代芸術祭「中之条ビエンナーレ2023」のイサマムラ(旧中之条町立伊参小学校)で10月9日まで開催されている。同日まで中之条町ふるさと交流センターつむじでも詩画集を販売する。問い合わせはメノキ書房(027・212・6344)。

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