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カナダの記録的な山火事、気候変動で起きやすさ2倍 研究グループ


 カナダ東部で今年5~7月に例年にない規模の山火事をもたらした気象条件は、気候変動の影響で少なくとも2倍近く起きやすくなっていたとする研究成果をカナダや欧州の国際研究グループが22日に発表した。6月にはカナダ東部の山火事の有害な煙が米国中西部から東部の広い範囲の上空を覆い、ニューヨークでは当局が外出を控えるよう呼びかけたほか、航空便の混乱などを招いた。

 カナダ全土では今年、観測史上最悪のペースで山火事が広がった。研究グループによると、これまでに延べ20万人近くが火災の影響を受けた地域から避難した。同国の避難者数としては1980年以降で最も多く、ぜん息による救急外来の受診や学校の閉鎖の増加も報告されている。

 研究は東部ケベック州を対象とした。気温・風速・湿度・降水量を組み合わせた火災のリスク指標を用いて、山火事が広がりやすい気象条件に人為的な気候変動がどれほど変化をもたらしたのかを分析した。今年5~7月は火災が広がりやすい条件がそろう20~25年に1度の「火災気象」だったという。同地域で今年経験したような火災気象の強さを示す指標となる確率は、気候変動の影響で2倍以上に高まった可能性があるとした。

 今シーズンのカナダの山火事はより長い期間、より広範囲に広がっているのが特徴だ。今年5~6月は1940年以降の同期比で最も暖かかった。研究グループのケベック大、フィリップ・ガション教授によれば、カナダでは残雪が火災シーズンの始まりを遅らせてきたが、今年のケベック州東部は例年より早い5月に雪が消えた。「温暖化で雪が減れば、カナダの山火事はより多くの日数燃え続けることを意味する」と説明する。

 インペリアル・カレッジ・ロンドンのフリーデリケ・オットー上級講師は「気温の上昇は、カナダだけでなく世界中の森林で火薬庫のような状況をつくりだしている」と指摘し、「化石燃料の燃焼を止めるまでは、山火事はより広い地域をより長い期間にわたって焼き続けるだろう」と訴えた。【ニューヨーク八田浩輔】

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