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戻る観光客、戻らぬ働き手…空港も職員不足「増便が難しい」


 新型コロナウイルス感染症の拡大で打撃を受けた東海地方の観光需要が復活の兆しを見せている。他方、コロナ禍で減った人材が職場に戻りきっていない業界では人手不足が需要回復の足かせになっている。

 7月中旬、古い町並みで知られる東海地方有数の観光地、岐阜県高山市は多くの外国人観光客でにぎわっていた。ドイツ人の男性(21)は「古い家屋が並ぶ通りは美しくてすばらしい」と声を弾ませ、土産物店にいたカナダ人の男性(33)は「高山には飛驒牛などおいしい食材が豊富だ。いろんな料理を味わいたい」と話した。

 高山市によると、4月に高山市を訪れた観光客数は前年同期比59%増の39万3000人に上った。市観光課は「インバウンド(訪日外国人)を中心に春の高山祭(4月14~15日)の観覧客が増えたため」と説明する。

 政府は昨年10月、新型コロナの水際対策を大幅緩和し、海外からの個人旅行の受け入れや入国ビザ免除を再開。高山市でもインバウンドが増加し、「7月の観光客数もコロナ禍前の7~8割程度まで回復した」(市観光課)という。

 また、三重県伊勢市の伊勢神宮内宮を6月に訪れた外国人参拝者数は5431人と、前年同月(777人)の約7倍に急増した。これはコロナ禍前の19年6月実績(5952人)に迫る数字だ。

 5月からは新型コロナの感染症法上の扱いがインフルエンザと同じ5類に移行したが、それ以前から国内での人の流れが活発化。観光庁の宿泊旅行統計によると、4月の東海3県での延べ宿泊者数(第2次速報値)は愛知143万5190人、岐阜53万3330人、三重52万1830人で、いずれも19年4月実績の7~8割程度まで盛り返した。

 他方、コロナ禍での事業縮小で人員削減した企業は人手不足に直面している。中部国際空港(セントレア)もその一つ。セントレアではコロナ禍前の17年7月時点で約1万200人が、航空会社の窓口や飲食店などで働いていたが、21年7月には約8500人に減った。

 6月にセントレア発着の国際線を利用した外国人客は前年同月比で約8倍増の12万3000人と好調を維持する。しかし、「地上業務を担う職員が全般的に足りず、増便が難しい」(セントレア広報)という。

 内閣官房と内閣府のデータサイト「Vリーサス」によると、三重県の5月第1週の「宿泊・ブライダル」関連の求人情報数は19年同期より6割以上増えた。三重県観光戦略課は「コロナ禍で離職した従業員が職場に戻りきっていない。待遇改善などで復職を促す必要がある」としている。【太田圭介】

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