特別検察官、トランプ氏の報復示唆を問題視 証拠の公開禁止を求める

　2020年の米大統領選の敗北を覆そうとしたとしてトランプ前大統領が起訴された事件を巡り、スミス特別検察官は4日、今後開示される検察側の証拠をトランプ氏がソーシャルメディアなどで公開することを禁止するよう連邦地裁に申し立てた。

　「国家を欺くための共謀」などの罪で起訴されたトランプ氏は、3日に連邦地裁に出廷し、証人を脅迫しないなどの条件付きで保釈が認められた。しかし、翌4日に「私を追及した者は、私に追及されることになる」とソーシャルメディアに書き込んだ。

　スミス氏は「トランプ氏が（開示された）証言を公にし始めれば、証人を萎縮させかねない」と懸念を表明。保釈翌日に証人や検事、判事らへの報復を示唆する投稿をしたことを問題視し、トランプ氏の言動に制約を課すよう裁判所に求めた。

　トランプ氏の広報担当者は5日未明、「4日の投稿は（トランプ氏に批判的な）名ばかりの共和党員や利益団体へのメッセージだ」と釈明する声明を出した。【ワシントン秋山信一】