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京都の老舗銭湯「鴨川湯」再開 老朽化で休業、大改修し交流の場に


 設備の老朽化などが理由で2022年9月から無期限休業に入っていた京都市左京区の老舗銭湯「鴨川湯」が29日、営業を再開した。「銭湯を日本から消さない」をモットーに、休業した共同浴場を復活させている「ゆとなみ社」(同市下京区)が事業を継承。鴨川湯の常連客だった同社の丹羽悠貴さん(31)と遠藤さくらさん(28)が共同店長を務める。

 営業開始は午後2時。約30分前から元の常連客らが集まり始め、真夏の日差しの下で約30人が待機した。近くに住む吉岡俊樹さん(70)は「子どもの頃から通っており、再開してくれて本当にうれしい。また毎日来ます」と話した。丹羽さんが店頭に「鴨川湯」と書かれたのれんを掛けると、待ちかねた客らが次々と建物に入り、汗を流した。

 遠藤さんと丹羽さんは「常連さんも新しいお客さんも、それぞれが気持ちよく入ってもらえるよう2人で頑張りたい」と話した。

 1926(大正15)年創業の賀茂川浴場がルーツで100年近い歴史を持つ鴨川湯。その名の通り、賀茂川近くの住宅地にあり、賀茂川からその煙突を望むことができる。周辺には京都府立植物園、大谷大など観光施設や大学も多くあり、地元住民だけでなく、観光客や学生にも愛されてきたが、新型コロナウイルス禍による利用者減少や燃料費高騰が追い打ちをかけ、休業を余儀なくされた。

 ゆとなみ社は約1700万円をかけて鴨川湯を修復。銭湯の心臓部、地下水をまきで沸かす釜も交換した。浴室内のタイルなど内装はできるだけレトロな原形を残しつつ、番台を解体して男女別だった入り口を一つに。脱衣所の手前にロビーを設置し、交流の場やイベントスペースとして利用する。SNS(ネット交流サービス)を活用した情報発信で若い世代にアプローチする他、グッズ販売や店頭でのクラウドファンディングで収益の確保を目指す。

 ゆとなみ社代表の湊三次郎さん(32)は「これからが本番。鴨川湯をもう100年残すには、単体で新築できるだけの収益を上げる必要がある」と話す。

 銭湯は全国的に減少を続けている。京都府浴場組合によると、府内でも23年3月時点で101軒だったが、同7月には96軒(うち京都市内は88軒)となり、100軒を切った。【佐藤賢二郎】

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