「3億円諦めないで」メールで来店 コンビニ店員が110番、被害防ぐ

　神奈川県警加賀町署は、特殊詐欺の被害を未然に防いだとして、セブンイレブン横浜県庁前店（横浜市中区）のパート従業員、山本雪子さん（47）＝横浜市中区＝に感謝状を贈った。60代の女性が店内で購入できる電子マネーを悪用した詐欺の被害に遭いそうになった際、怪しいと感じて110番した。山本さんは「日ごろから特殊詐欺事件への関心があった。防げて良かった」と振り返った。

　横浜市の女性は6月下旬、「必ず受け取りできる3億円なので諦めないでください。セブンイレブンのマルチコピー機で2万3000円をご用意してください」などと書かれたメールを受け取り、同店に向かった。電子マネー「ビットキャッシュ」をマルチコピー機を使って購入しようとしたが、やり方が分からず、従業員の山本さんに質問。山本さんはメールの文面を見て詐欺だと感じ、110番したという。

　加賀町署の森田仁志署長は「電子マネーを利用した特殊詐欺の手口は多い」としたうえで、コンビニの従業員らに「高齢者が電子マネーを使用する場合は詐欺を疑っていただきたい」と呼びかけた。【宮本麻由】