ひこにゃんのご当地ナンバー、幻に 滋賀・彦根、全国初の申請撤回

　滋賀県彦根市と甲良町がご当地ナンバー「彦根」を導入する計画について、和田裕行市長と野瀬喜久男町長は27日、住民の合意形成ができなかったとして計画を断念、国土交通省への申請を取り下げることを決めた。国交省によると全国で初めて。

　両市町は従来の「滋賀」ナンバーに代え、「ひこにゃん」と彦根城の図柄も入れたご当地ナンバーを構想。住民へのウェブアンケートでは64．6％が導入に賛成だったため、3月に導入を申請した。しかし、同町3月議会は「町民の回答が169件しかない」などとして計画再考を決議。町は改めて5～6月、町内の全世帯に郵送アンケートを実施した結果、反対が56．7％で、賛成24．9％を大きく上回った。

　2022年4月現在の登録自動車（軽を含む）は彦根市が8万3384台、甲良町が6590台。ご当地ナンバー導入に必要な登録台数は複数自治体では8万5000台なのに対し、単独自治体では17万台となる。和田市長は「移住促進など人口増に取り組み、導入を目指したい」と述べた。【伊藤信司】