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サイレン下もカフェに人、空襲現場では避難者増え リビウで見た交錯


 金曜日の夕刻、遠くで空襲警報のサイレンが鳴った。ホテルの地下シェルターをのぞいたが、誰もいない。表に出ると、路上に並んだカフェのテーブルで客たちが談笑している。幸い、サイレンは数分で鳴りやみ、空爆も起こらなかった。

 ウクライナ入りした14日、西部リビウで最初の空襲警報を聞いた。この町では6日、集合住宅がロシアのミサイル攻撃で破壊され、10人が死亡し、40人以上が負傷している。それでも空爆の現場から数キロしか離れていない中心街では、警報の中でストリートミュージシャンが演奏を続け、ダンスを踊る人たちもいた。戦時下を感じさせるのは、爆風から守るために鉄板で覆われた教会の窓だけだ。「戦争は1年半近く続いているんだ。みんなもう慣れている」。案内役の地元記者がつまらなそうに言う。

 だが、戦時下のウクライナでは日常と緊張が交錯している。

 翌15日、空爆された現場を訪れた。4階建ての集合住宅は上階がえぐれており、修復工事が進められていた。

 攻撃があったのは6日未明。この日も事前に空襲警報のサイレンが鳴っていた。2階に住む女性、アレクサンドルさん(38)は、長男(12)とともに地下シェルターに避難した。警報のたびに逃げていたので、周囲の人に笑われたこともあったという。それでも、いつも万が一の事態を考えていた。

 建物の裏手に最初のミサイルが落ちたとき、シェルターにはアレクサンドルさんを含めて4人しかいなかった。強烈な爆音だった。すぐに多くの住民が駆け込んできた。間もなく2発目が落ちてきた。今度は集合住宅の建物を直撃し、逃げ遅れた住民たちが死傷した。「亡くなったのはよく知っている人たちばかり。いまの感情を伝える言葉を私は知らない」

 アレクサンドルさんはいまもドアや窓が壊れた自宅に住んでいる。ミサイル攻撃があってから、現場周辺は空襲警報でシェルターに避難する人が格段に増えたという。【リビウ金子淳】

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