「信用できない」 マイナカード、自主返納の動き広がる 群馬

　マイナンバーカードを巡るトラブルが相次ぐ中、群馬県内の自治体にカードを自主返納する動きが広がっている。「信用できない」として窓口でカードをシュレッダーにかけるよう求めた住民もいたといい、自治体からは「政府主導の事業への反発をぶつけられても困る」と困惑する声が出ている。

　従来は、本人の死亡や国外転出、記載欄の余白がなくなったなどのやむを得ない理由による返納が多かったが、トラブル発覚後、本人の希望に基づく自主返納は高崎市で5月に7件、6月に13件で計20件あった。前橋市は6月に4件、7月に3件で、家族の分をまとめて返納するケースもあった。太田市は6月に2件、藤岡市は6、7両月に各1件。富岡市は返納がなかったが「大丈夫か」との相談はあるという。

　県内では4月末時点で人口の7割弱の131万9736枚が交付されている。5月以降、全国的に健康保険証の登録情報ミス、公金受取口座の誤登録、ポイント誤登録などが相次いで判明した。【田所柳子】