茨城県常陸太田市は30日、市独自のデジタル地域通貨「じょうづるさんPay」を7月18日に導入すると発表した。スマートフォンを持たない市民にも配慮し、スマホ用アプリとQRコード付きのカードを併用する仕組みで、こうしたデジタル地域通貨は県内初という。
市では、これまで紙で発行していたプレミアム付き商品券や旅行券、子育て応援券などを今後じょうづるさんPayで発行していく。利用者が現金をチャージして使うことは現時点では想定していないという。
利用者がスマホなどの端末で店舗に備え付けたQRコードを読み取るか、QRコード付きカードを店舗に提示して専用端末で読み取ってもらい、代金を支払う。利用者側は商品券を1円単位で利用できるようになる。店舗側は商品券を商工会まで持ち込んで換金する手続きが不要となり、取引履歴が確認できるなどのメリットがある。
宮田達夫市長は「デジタル地域通貨は若者が多く使う傾向にあるが、市内の高齢化率は40％を超え、スマホの操作が苦手な人も多い。高齢者の使い勝手も考慮してカードを併用することにした」と説明した。
市は手始めに、7月18日から市外在住者を対象に発行する「プレミアム付き旅行券」をじょうづるさんPayで付与する。市民を対象とした「プレミアム付き商品券」「子育て応援券」「子育て世帯生活支援給付金」は10月に発行する予定。【田内隆弘】
