神戸市西区の草むらで22日夕、兵庫県警の警察官が近くに住む保育園児の穂坂修（なお）ちゃん（6）の遺体を見つけた。修ちゃんの祖母（57）がこの2日前に保護されており、県警は同日、修ちゃんの母親ときょうだいの男女4人を祖母に対する監禁と傷害の疑いで逮捕した。4人が修ちゃんの死亡に関与している疑いもあるとみて、詳しい経緯を調べている。
「助けてください」。一家の近隣住民らは、修ちゃんが周囲に叫ぶ声を聞いていた。室内からは悲鳴や何かをたたくような音が聞こえることもあったという。
一家が住んでいたのはJR西明石駅の北東約3キロにある住宅街。近くに住む70代の女性によると、約1カ月前に修ちゃんから「鍵がかかっていて外に出られない。助けてください」と求められた。同じ頃の夜、近所の20代男性は一家の玄関の前で男児が泣いているのを目撃。家にいた女性に「部屋に入れてあげて」と促したことがあったという。
自分の子供が修ちゃんと同じ保育園に通っている40代女性は「修ちゃんは元気がよくて、すぐ近寄って声をかけてくれる屈託のない子だった」と話す。だが、この1カ月ほどは保育園にも登園しないことがしばしばあり、この女性は「姿を見なくなっていたので心配していたが、まさか亡くなっていたなんて」と驚いた様子だった。
別の女性は「女性が怒鳴り声を上げた後、男の子が『ごめんなさい』と謝る声や、人がたたかれるような音が聞こえていたので、警察に通報しようかと思っていた矢先だった」と不安そうに語った。【大野航太郎】
