若者が性犯罪に遭うのを防ごうと、府警府民安全対策課は、リスが謎なポーズで気を引くポスターを制作した。「ゆるい」印象の防犯ポスターだが、若い女性らの関心を引く新たな一手だ。
目を引く造語「すぐぽりす」は、「すぐにポリス（警察）が駆けつける」という新しいダジャレ。造語からリスが登場し、気の抜けた敬礼ポーズを見せつける。
制作には関西大学の池内裕美教授（社会心理学）がアドバイスした。池内教授は「情報量の多いポスターは読みたくなくなるものが多い。今の若者は興味が湧けば自分でインターネットで調べるため、『おや、なんだ』と思わせることが大切なのです」と話す。
性犯罪被害の相談は、24時間対応する全国共通「＃8103」に電話すれば、最寄りの警察につながる。広く知ってほしいダイヤルをシンプルに掲載したのも、調べるきっかけにしてほしいからだ。
赤井畑崇課長補佐は「被害を訴えてもらうための第一歩になれば」と訴える。
人気漫画「明日カノ」キャラのポスターも
少年課は、人気漫画「明日、私は誰かのカノジョ」の登場キャラクターをポスターに採用した。
「明日カノ」はさまざまな悩みやコンプレックスを抱えながら生きる女性たちを描く。ポスターでスマートフォンを手に持つ少女は、作者「をのひなお」さんが書き下ろした。
西岡義彦少年補導官は、SNS（ネット交流サービス）の「闇バイト」に応じた若者が特殊詐欺に加担するケースを踏まえ、「若者は被害者にも加害者にもなり得る。日ごろから保護者とSNSの使い方を話し合ってほしい」と呼びかけている。
ポスターはいずれも主要駅や大学でも掲示している。【横見知佳】
