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「期待の若手が…」 肩落とす犠牲者の同僚ら 北海道バス事故


 北海道八雲町野田生(のだおい)の国道5号で乗客15人を乗せた高速バスとトラックが正面衝突して5人が死亡した事故から一夜明けた19日。亡くなった乗客らの知人や同僚は悲しみに包まれた。【谷口拓未、金将来】

 「まだ信じられないというのが正直なところ。若く、期待していただけに、ショックだ」。乗客としてバスに乗り、亡くなった函館市職員、若崎友哉さん(33)=函館市旭町=の上司で、同市人事課長の葛西亘さんは言葉を絞り出した。

 市によると、2012年に職員採用された若崎さんは市教育委員会を経て、20年から人事課に所属。主査として人事関係全般の仕事を担当していた。「優秀だからこそ(早くから)主査に登用されていた。部下や後輩から慕われている様子が印象的だった」と葛西さん。同僚らとソフトボールに興じることもあるなど、若崎さんは活発な性格で勤務外の交流でも中心的な役割を果たしていたという。

 葛西さんは18日夜、若崎さんの妻から「バスで事故に遭い、病院で……、ダメでした」との連絡を受け、訃報を知った。事故がなければ19日もともに仕事をする予定だった部下の悲報に、「ほかの職員もショックを受けている。残念な気持ちでいっぱいとしか言えない」と肩を落とした。

 同じく乗客だった高橋裕美さん(55)=札幌市清田区=は、同市厚別区の英会話カフェ「カフェ・コーエン」で英語講師として働いていた。オーナーのデール・フィルユンさん(67)は「裕美先生は生徒たちに慕われ、実直な先生だった。ショックでどうすればいいかわからない」と戸惑いを隠せなかった。

 フィルユンさんによると、高橋さんは米国の大学で英語教授法(TESOL)を学び、11年に修士号を取得。帰国後、「カフェ・コーエン」でメイン講師となった。歌やピアノの才能もあり、明るくて真面目な性格だったという。高橋さんに英語を教わっていたという増田輝美さん(74)は「裕美先生がいたから英語を楽しく学ぶことができた。(カフェが)いろいろな人のよりどころになっていたのは裕美先生がいたから。『厳しい優しさ』を持っていた人だった」と思いを語った。

 バスを運転していた会社員、興膳孝幸さん(64)=札幌市清田区=の近所に住む谷原房子さん(78)は「ニュースを見て同じ苗字だなと思っていたが、まさか本人とは思わなかった。本当に心が痛い」と表情を曇らせた。

 谷原さんによると興膳さんは妻と2人暮らしだったといい、「人柄が良く、会ったら笑顔であいさつしてくれた。2人で車で出かける姿も見ていて、仲の良い夫婦という印象だった」と悼んだ。

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